やっぱり1位はあの作品。「映画野郎」が選ぶ2016年ベストテン!

 

小川:あと全体的なことで、今年の傾向としては「日本映画の大逆襲」的なことが言えますね。ほとんどの参加者が日本映画を入れてますしね。

原口:そうなんですよね、去年はベストテンに日本映画が1本も入らず、やっと14位に『野火』が入ったのが最高位。2年前も20位以内に7位『そこのみにて光輝く』、14位に『愛の渦』が入ったくらいで、あとは全部洋画。それが今回は、日本映画がベストテンに4本も入賞。20位以内にも『ヒメアノ~ル』、『君の名は。』、『淵に立つ』と並んでいるし、かなりの巻き返しが感じられる。

小川:まあ、ファンダメンタルになった『シン・ゴジラ』、『この世界…』、『君の名は。』の存在の大きさもありますが、それに頼らなくても、『リップヴァンウィンクルの花嫁』しかり、『セトウツミ』しかり、『ヒメノア~ル』、『淵に立つ』しかりですね。とにかく話題作が年間で尽きなかった過去ないんじゃないか、というぐらいの超豊作ですね。野球で言えば22対4ぐらいでバカ勝ちしていて、「明日にとっておけよ」っていう感じですね。ま、明日じゃなくて今年だけどね(笑)。

KANTO:個人的に8位にランクインした『あやしい彼女』は、韓国映画のリメイクなのですが、中味は昭和30~40年代に作られたプログラムピクチャーのいわゆる喜劇映画の流れを踏襲しているので、僕は迷わずジャンル映画だと思いました。去年は他にもでジャンル映画と呼べる邦画の秀作がたくさんあったから、そういう意味では邦画は豊作年と言っても良いでしょう。

小川:そうですね。ボク、やっぱり昭和の喜劇映画が好きだし、音楽のセンスが物凄く良かったんだけど、「映画野郎」的という点で11位にしてしまいましたね。

原口:僕は日本映画の逆襲的な意味では、『シン・ゴジラ』の次に『アイアムアヒーロー』が牽引したと思っていたんだけど、思ったより順位が伸びなかったなという印象。ゾンビ映画はバカにされている?

小川:いや、そこは単純に他の作品の評と割れたんじゃないですかね。日本映画で言えば『湯を沸かすほどの熱い愛』とか『怒り』とかね。

KANTO:『アイアムアヒーロー』は、ほぼ満点に近いホラー映画なんだけど、ヒロインがあまり活躍しないのが不甲斐なくて評価をひとつ下げました。ちょっと勿体無い感じなんだよね。

原口:あとやっぱり映画野郎という媒体目線で言わせてもらうと、ジャンル映画というか娯楽作がもっと入ってきてほしかったかなあ。男目線の作品は確かに多いんだけど。

小川:あ、ボク、ベスト30でも全く入れませんでしたね。

原口:入れてよ! 小川さんはヒューマン・ドラマ好きだから、そこらへんの意識薄いんだよなあ……。

KANTO:せっかく1,800円も払ったんだから、もっともっと非現実の世界に振り回されたいですよね。夢と冒険に満ち溢れた現実逃避の2時間こそが、映画ならではの至福の時間だと思いますよ。ヒューマン・ドラマ嫌いじゃないけど、僕はこれからもホラーやSF映画に入れ込んで今年も乗り切っていく所存です。

原口:そうそう、映画野郎はやっぱり世間的に一段低く見られている男向けなジャンル映画をちゃんと愛していきたいし、ちゃんと評価していきたいです。

小川:そうですね、そこは2016年のボクの反省点ですかね。それでは2017年もバシバシ新作を観ていきましょう。

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