謝罪のプロが驚愕。狩野英孝の釈明会見は、あまりにもイケていた

2017.01.23
by yomeronpou
 

4.ポンコツの皮をかぶった賢者

狩野英孝といえばお笑い芸人としてのポジションは「ポンコツ」だと思います。スベリ芸の一種で、自らおもしろいことを発するというより、普通の会話自体の変さや計算の出来ない天然と呼ばれるポンコツなところが人気を呼んでいます

笑いの世界は非常に奥が深く、バカやアホと呼ばれることとその芸人さん自身が本当にバカやアホであることは別です。バカやアホを装いつつそれを演技とは受け止められない腕が必要です。たけし軍団やダチョウ倶楽部はただ裸になったりバカ騒ぎをするだけという批判も受けますが、実は素人がただ裸になるだけやバカ騒ぎだけで笑いなど作れません。素人のお調子者とプロの芸人さんの腕の違いを自ら喧伝するような無粋は絶対にしないのが芸人さんだと思います。

無粋を承知で書けば、狩野氏もポンコツを売りにしてその結果の言動が笑いになる点である意味バカを演じている人でしたが、今回の会見の全体を見ているととうていバカとは感じられませんでした

執拗なレポーターの質問にも、これが例えば舛添元都知事のようなエリートであったらガンガン反論できるような、取材側の矛盾や無知にも反論ではなくしっかり答え、結果として何度も同じことしか答えようがないことを、決してイラつかずむしろ落ち着いて繰り返すことで、取材側のアラをいぶり出すかのような高等な対応だったといえます。

ベッキーさんなどの失敗会見と違い時間制限も設けず、最後まで立ったまま、大汗をかきつつ時としてシドロモドロのヘタレっぷりも見せつつ、相手を含めた誰のことも非難せずに「(相手の年齢を)知らなかった」の一点で突破しました。この全体構成はおよそポンコツではありません

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5.エリート・舛添の挫折、ポンコツ・狩野の計算

今回の記者会見は謝罪の要諦を押さえた、しっかり計算されたものだと考えられます。実際のところはもちろんわかりません。しかし多くのエリートが起こすミスを少なくとも今回の狩野氏は犯していません。それは言い訳です。

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image by: 狩野英孝オフィシャルブログ「狩野とアルいてく」

 

著者/増沢隆太

「謝罪のプロ」として著名人記者会見のたびにテレビ、ラジオ、新聞でコメントしまくるコミュニケーションのプロ。ロンドン大学大学院では戦争研究を行い、帰国後外資系企業数社でブランドマーケティングを担当した。その後、人事コンサル会社勤務を最後に独立し、人事・経営コンサルタントとして活躍。現在は講演、企業研修、大学生向け講座などで全国を回るほか、東京工業大学の特任教授も務めた。 

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