天皇退位は「一代限り」か。新聞各紙の報道を比較してわかった温度差

 

保守派への配慮

【毎日】は1面トップに2面と3面の解説記事「クローズアップ」、11面に識者の見解を載せる「論点」、12面と13面に論点整理の全文、社会面にも関連記事。見出しを拾う。

  • 退位「一代限り」促す
  • 有識者会議 論点整理公表
  • 恒久制度 否定意見多く
  • 各党、集約を加速
  • 来月中旬めどに
  • 退位議論 結論ありき
  • 「重荷」急いだ政府
  • 関連法案へ課題山積

uttiiの眼

《読売》と違い、《毎日》はこの論点整理が「一代限りの特別立法を促す意見の比重が高く政府の方針に沿う内容になったとする。3面の解説記事「クローズアップ」は見出しに「結論ありき」と掲げ、「特別立法での退位実現に重点を置いているのは明らかだ」として、民進党皇位検討委員会の馬淵澄夫事務局長が「結論ありきで強引に進めた」と批判していることを紹介している。《毎日》自身が、この「結論ありきに批判的であることも明らかだ。

ただ、特例法については、自民、公明の与党だけでなく、維新も一致していること、他方、民進や共産などとの合意点を探るため、典範の付則に特別立法の根拠規定を置く案を支持する声が、公明、維新両党内でも出ていることについても触れている。この点は、国会での議論を考えるとき非常に重要な要素となるが、きょうの《朝日》、《読売》は強調していない。

有識者会議が「結論ありき」であった理由について、《毎日》はキチンと分かりやすく書き記している。以下、直接引用する。

世論は退位を支持しており、議論が長引けば政権に批判が向く懸念もある。そのうえ、首相を支持する保守派には退位反対論が根強い。制度化には時間が掛かるという理由に加えて支持層への配慮もあり、制度化に踏み込むことは最初から想定していなかった。

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