特例法の方向性をにじませた…?
【読売】は1面トップに続いて、2面3面の解説記事「スキャナー」、社説、12面に論点整理の全文、13面専門家らのコメントを収載する「論点スペシャル」。見出しを抜き出す。
- 退位「一代限り」の方向
- 有識者会議 論点整理を公表
- 退位の是非 両論併記
- 「国民は共感」「皇位不安定化」
- 論点整理 国会に配慮
- 「一代限り」結論付けはせず
- 「儀式」「退位後の活動」課題
- 国民の総意を得るたたき台に(社説)
uttiiの眼
見出しは「一代限り」の「方向」、リードには「一代限りの退位」が望ましいとする「方向性をにじませた」と、いずれも微妙な表現。皇室典範改正ではなく、有識者会議は「一代限りの退位」を特例法で認める方向を推しているとの認識に変わりはないのだが、飽くまで「明確な結論付けは避けた」というのが基本的な評価。だが、これは正確な認識と言えるのだろうか。
有識者会議が早くから「特例法による一代限りの退位」という方向性を出そうとしたことに対して、与野党ともに国会側が反発し、困った官邸が方針転換を図った結果、「論点整理の中身を急速にトーンダウン」させることになった経緯については、《朝日》同様に指摘している。しかし有識者会議の役割は、「特例法」による問題解決という方式を、国会議員だけでなく、世論にも納得させることだったはずで、その意味では、仕掛け自体がややお粗末だったと言えるのかもしれない。
24日、総理が衆参の議長副議長に対して今回の論点整理を示し、国会での議論が始まる。安倍総理が「決して政争の具にしてはならない」と強調したにもかかわらず、「野党第一党の民進党は、皇室典範改正による制度化を求める姿勢を崩していない」と、まるで異論が邪魔者であるかのように書く《読売》の身の置き所は、一体どこにあるのだろうか。