ライザップがジーンズメイト買収、業績回復にコミットするのか?

 

2015年2月に発表した中期経営計画によると、「ファッション、ヘアスタイル、メイク、マナーなど、本当になりたい自分作りを科学的に分析支援するトータル・イメージ・コンサルティング事業を開始予定」としています。体づくりを超えて、「なりたい自分の実現をサポートする新規事業のようです。

この新規事業の構想では、ファッションを含めてトータルで自己実現をプロデュースすることを目指しています。しかし、現状のライザップのアパレル事業は、ほとんどが婦人服で構成されていて、ライザップ利用の男性客をグループ内だけでプロデュースすることができない状況です。

ジーンズメイトを買収した理由の一つとして、ライザップ利用の男性客向けにアパレル製品の提案販売を行う意図があると推察します。ジーンズメイトは男性用と女性用の両方のアパレル製品を扱っています。男性用のラインナップは充実しているので、ライザップ利用の男性客に対する提案の幅を広げることができます。一方、ジーンズメイトとしてはライザップからの送客が期待できます。

ジーンズメイトの業績は低迷していますが、財務内容は決して悪くない状況です。ジーンズメイトは業績の低迷に合わせて不採算店舗の統廃合を断行していきました。最終損益の赤字が続いている理由は、売上高の減少が大きな要因ですが、不採算店舗の統廃合による減損損失の計上の影響も強くあります。それが一巡すれば赤字幅は縮小するはずです。事実、最終損益の赤字幅は縮小傾向にあります。

ジーンズメイトは無借金経営を続けています。自己資本比率は79.7%(2016年2月期末)もあります。流動比率は463%(2016年2月期末)にもなります。どちらも企業財務の安全性を表す代表的な指標ですが、どちらも良い数値を示しています。ジーンズメイトの財務状況は極めて良好と言えるでしょう。

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