日台友好の象徴に横槍。日本人の寄附で再建された台湾の神社に批判

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主に日本からの寄付金を元に、昨年70年ぶりに再建された台湾南部の神社を巡り、中国寄りの台湾野党・国民党の幹部が「日本人によって台湾先住民が多数殺害された台湾出兵の地に日本の神社を建てるとは何事だ」と、与党の民進党に対して批判の声を挙げたことが現地で話題となっています。しかし、メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の著者で台湾出身の評論家・黄文雄氏は、「歴史を歪曲し日本を悪者にするのは国民党の常套手段」とし、当時の正しい日台間の歴史を記すとともに、国民党員の姑息な手段を厳しく批判しています。

【台湾】日台友好を阻害する国民党の時代錯誤

日本人による寄付で再建された神社 国民党幹部から批判噴出/台湾・屏東

台湾南部にある屏東県牡丹郷高士村の高士神社をめぐって一騒動起こっています。神職の佐藤健一さんが、民間からの寄付金で神社を再建したところ、台湾野党である国民党の政策委員会の蔡正元執行長から批判を受けているということです。

神社を再建した資金の多くが日本人からの寄付であり、それを受け取って神社を再建することは「日本統治時代の功績への賛美だ」といって批判しているのです。さらに蔡正元氏は、自身のフェイスブックで次のように述べました。

同神社の所在地は、1874年に明治政府が台湾南部に軍を派遣した「台湾出兵」で、日本人が先住民を殺害した場所だと説明し、民進党が当時の戦闘で死亡した集落酋長を顕彰するのでなく、日本の神社を建てたことは非常に不思議だ。

いかにも国民党が言いそうなことです。歴史を歪曲し、過去のことと現代の現象と無理やり結びつけて、日本鬼子と日本を悪者に仕立て上げる常套手段です。

蔡正元氏の狙いは、与党である民進党批判で、民進党が日本人の資金で神社を再建したと批判しているようですが、この村の村長が言うように、神社を再建したのは民進党ではなく神社です。的外れもいいところです。

この蔡正元氏の発言によって、村には国民党支持者および悪ノリした者たちによる嫌がらせが相次いでいます。そうした人々による極めて悪辣な態度によって、それまで穏やかだった集落の雰囲気は険悪となり、村民は恐怖やストレスを感じる日々となっている被害も出ているといいます。

村には先住民も多く住んでおり、騒動に便乗した先住民いじめのようなこともあるのです。業を煮やした村長は蔡正元氏に反論しました。この村長の言葉はじつに真実を突いていて、私はとても感動しました。

こんな僻地の集落でも台湾人の民度は高い水準を保っていることを嬉しくも思いました。村長は、「民進党が再建した」とする蔡正元氏の指摘について、神社は日本の民間からの寄付金で建てられたものだと事実関係を否定した上で次のように発言したのです。

日本の功績を称美しているとの見方について、神社は「もつれた歴史に対する集落と日本人の間における許しであり、紛争の解決、友好樹立の象徴」である。

過去に起こったことの責任を追求しても無意味であり、重要なことは互いに許すことだということは、誰もが知っていることです。村長は当然のことを言ったまでです。

村長の毅然たる対応を見ると、根拠のないことで日本や民進党を批判している蔡正元氏は滑稽にしか見えません。

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