文科省の逆襲。「総理のご意向」文書流出の裏に天下り規制の恨み

 

ちなみに、加計学園グループの順正学園が経営する吉備国際大学の農学部は2013年4月、淡路島の南あわじ市に開校したが、初年度から定員割れし、年々、入学者が減少している。

南あわじ市が土地、建物を無償提供し、少ない税収の中から補助金を出しているというから、とんだ見込み違いといえないだろうか。

安倍首相は「大学を誘致すれば若い人も来て町が形成される」と強調する。だが、「地方創生」とはつまるところ自治体どうしの人口の奪い合い、という側面もある。人口減少が進むこの国で地方自治体は熾烈なアイデア合戦に巻き込まれ、あえいでいるのだ。そこに政治家の力を頼みにつけ込む人間がいる。

森友学園、加計学園、そして「AO義塾」「全国未来高校生会議」への支援など、安倍夫妻の私情がからむ教育プロジェクトには見境がない。

3月13日の参院予算委員会で、「加計学園の理事長が獣医学部をつくりたがっていることを知っていたか」と追及した福島瑞穂議員に対し、安倍首相は激昂して言った。

福島さんね、特定の人物の名前出している以上、その人物に対してきわめて失礼だ。まるで、私が友人であるからさまざまな手続きに政治的な力を加えたかのごとくいう質問、これあなた責任とれるんですか。

福島議員が「質問に対してなぜそんなに恫喝するんですか」と反発したのは当然だろう。「公」の精神が怪しくなった総理大臣を目の前にしているのである。

親しい人ならばこそ距離を置く。それが国の最高責任者としてのたしなみではないか。

「総理のご意向」が政治を歪めることもある。そのことを深く胸に刻んでもらいたい。野党批判で貴重な国会論戦の時間を潰しているゆとりはないのである。

 

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