いま家は買うな? 不動産の「2022年問題」がチャンスに変わる理由

 

「2022年問題」の影響を最も受けるのはファミリー向け物件

ファミリーはを持っていることが多いため、駅から離れても賃貸としての需要はあります

それはアパート建築メーカーもわかっており、そういうプランを地主に提案しますから、ファミリー向け賃貸アパートが増え、空室増加、賃料の下落圧力が高まるという事態は想定されます。

賃貸アパートを借りる人にとってはメリットですが、所有する人にはリスク要因です。

同様に、一戸建ても駅徒歩○分といった概念はあまり通用せず、デベロッパーやハウスビルダーは広い土地を買い取って区画整理し、分譲戸建てとして売り出すでしょう。

すると、低廉な新築戸建てが乱立する可能性は高く、将来家を買う人は安く買える一方、すでに所有している人にとっては自宅の資産価値の下落が待ち受けています。

それはイコール、戸建て賃貸をしている投資家にとっては直接的な競合になるリスクとなります。

戸建て賃貸は、いったん入居が決まれば比較的長い期間の入居が期待できる一方、一般の戸建てより低コスト・ローグレードな仕様であることが多いため、魅力度で負けやすい。

現状で賃貸が決まっていても、いったん退去されるとリフォーム費用がかさむにもかかわらず、なかなか次が決まらないという事態になる可能性は否定できません。

とはいえ、自治体や業者の動きも地主の判断も私たちにはコントロールできず、どうなるかはわからない。ではコントロールできることは何か。

不動産投資家であれば、やはり立地上不利な物件を手放していき、2022年以降の環境変化を観察することではないでしょうか。

むろん、賃料を下げる余力を生めるよう繰り上げ返済を続けるとか、設備やデザインの見直しによるリフォームといった競争力を上げる努力も必要とはいえ、立地は変えることができません。

自分が売りたいときには、みんなも売りたがっているので、なかなか売れない状況になるのが通常です。

2022年以降になって慌てても選択肢が狭まるだけ。だから「売れる時に売っておく」という判断も必要です。

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