私たちの発する言葉は自分を語るものである場合が多い。自分のこだわりや内面、日常や未来のことまで自分を相手に伝えるために言葉を紡いでいる。それは周りに自分のことを分かってほしいからに他ならない。
当然、私も周りに自分のことを分かってもらいたいために多くの言葉を使い話をする。ただ、あのマンガのキャラクターの言葉に出会ってからは相手のことを分かろうとすることが増えた。まず相手を分かろうとする、自分を分かってもらうのはその後でも良いと思うようになったのだ。
人であれ、物であれ、「分かる」というゴールにたどり着くことはないように思う。むしろ「分かる」ということがゴールであるという思いこみ自体が分かったようになっているのかもしれない。
相手が人であれば相手を分かろうとして、相手も自分のことを分かろうとしてくれている状態が良いだろう。相手が物であっても同じように言える。物を作った人の気持ちを分かろうとして、そうすると物がどうありたいかが分かっていく。人であれ物であれ分かろうとすることが大事である。
これを機に「分かる」と思っているものを見直してみてはどうだろうか。それは身近にいる人だったり、ふだん使っている物だったり、自分の趣味や将来などでも良いだろう。これまで分かったと思っていても、もしかしたら分からないことだらけかもしれない。
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