菅官房長官も異様な個人攻撃
それにしても、政治の側が寄ってたかって、たたきに回っている姿には唖然とする。特に普段は冷静にみえる菅官房長官らが「前川氏は何度も出会い系バーに行っていた」などと個人をおとしめるようなことまで発言したことには驚きを禁じ得ない。かつて毎日新聞の西山記者が政府の秘密文書を官庁の女性から情を通じて入手したとあえて言及し、西山氏個人を攻撃するとともに情報価値を低くみせようと小細工したことを思い出す。
政権側がこうまでムキになって前川前次官を攻撃するのはやましいことがあるのか、今後へのみせしめとしてたたいているのかと勘ぐりたくなる。
前川氏は証人喚問に応じてしゃべってよいとも言っているが、政権側は「辞職した人に聞いても仕方ない。文書の存在についても再調査しない」とすげない。だとしたら10年以上も拒否してきた認可をなぜ今回は認可に変えたのか。せめてその理由と事情を明かすべきだろう。
政府が潔白を言い張るなら堂々と国民の前で証人喚問を行ない、両者の言い分を知らせるべきだろう。最近の「安倍一強」政治は、国民の感覚とはどんどん離れているのではないか。自民・公明の中から注文をつける人物がほとんどいないことも困ったものだ。「政治の一寸先は闇」という。驕りが過ぎると政権も高転びする危険があることを肝に銘じた方が良い。
※「オレ様第一」から「公」の政治へ(Japan In-depth)
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