下降する内閣支持率
【東京】は1面トップ記事に、金井辰樹政治部長によるコラム。関連記事は2面に解説記事「核心」を含む3本、3面には法案内容への批判と国会ドキュメント、5面に社説、24面25面に「こちら特報部」は地方の法案反対の声、26面有識者のアピール、27面社会面に国会周辺の人々、さらに最終面28面には「9つの論点」を整理した「永久保存版」的な一覧。見出しから。
1面
- 「共謀罪」成立へ強行
- 自公 委員会採決を省略
- 参院本会議 早朝にも可決
- 多くの論点残したまま
- 民主主義ないがしろ(金井政治部長)
2面
- 「加計隠し」野党批判
- 自民、都議選影響を回避
- 与党委員長なのに…異例
- 与野党対決法案 安倍政権 10年前も
- 「共謀罪」不安尽きず
- 一般人対象■心の中処罰
- テロ対策 根拠曖昧
- 「加計学園」文書 再調査きょうにも公表
- 文科省、聞き取り終了
5面
- 「共謀罪」
- 法案 成立強硬は疑惑隠しか(社説)
24・25面
- 「共謀罪」 県市町村議会 意見書40以上
- 地方 届かぬ声に憤り
- 反対や危惧…「なぜ強引に推し進めるのか」
- 沖縄では「抗議活動 標的に」
- 全国で続く「NOUVEAU」の声
26・27面
- 国会 死にかけている
- 七人委員会 アピール全文
- ゴリ押し手法 頂点に
- 自由が奪われる
- 市民ら結集■参院騒然
- 政権 めちゃくちゃすぎる 若者ら怒り
uttiiの眼
フルスペックでの対応。
「民主主義ないがしろ」と題した金井政治部長のコラムは、1行目から、「異常というしかない」と、今回の事態を評する。採決の強行が珍しくない安倍政権下でも今回は特に異常で、自民党内からも「全くの想定外」という声が漏れたという。「審議時間の長短で採決時期を語ることには賛成できない」とする金井記者だが、参院法務委員会での審議時間17時間50分は、与党が目安とする「衆院の7割程度」にも遙かに及ばないとして、「質も量も、採決の機が熟していないのは明らか」であり、良識の府、熟議の府を標榜している参院の「看板が泣いている」と。
金井氏のコラムの最大の特徴は、政府・自民党が「共謀罪」法案の採決を急いだ理由として、「各種世論調査では内閣支持率は下降カーブ」を描いている点を強調しているところ。差し当たり、都議選投票日の7月2日までには、今回の事態を有権者に「忘れてもらいたい」のではないかという。
だとすれば、金井記者が言うように「忘れない」ことが大事ということになるだろう。
さらに言えば、これから2週間余り、日本の有権者、特に東京都の有権者を取り巻く情報環境には、大きな力でバイアスが掛かることを覚悟しておかなければならないだろう。自民党が是非ともその評判を貶めておきたいと考える人物に関するスキャンダルなど、否定的な情報には特に注意を要する。耳目を引き、テレビの情報番組などが連続的に大きく取り上げやすい芸能人・有名人の醜聞なども要警戒だ。どれもこれも、「政治的健忘症」を引き起こす毒物と見定めるべきで、今から身構えておくことにしたいものだ。
あとがき
以上、いかがでしたでしょうか。
議会制民主主義については、無条件で素晴らしいものと見なすべきではないのかもしれません。しかし、今回の与党の振る舞いは、「民主主義を省略」する暴挙、いや、「民主主義を回避」した犯罪的な行為。この行為に責任のある政治家たち、とくに、安倍、菅、萩生田、二階、山口の各氏は、永く、責任を問われ続けることでしょう。これを許してはならないと思います。
というわけで、きょうはここまで。文科省が「加計文書」の「再調査」結果を公表し、「19のうち14の文書が存在していた」ことを認めました。文科大臣はもちろん、「怪文書」などと言っていたどこかの官房長官はどんなふうに責任を取るつもりなのでしょうか。
image by: 首相官邸