人通りが減った商店街で、なぜ「昔ながらの電器屋」が復活したのか

 

お年寄りだけでなく、若者にとっても便利になる街の電器屋さん

人間の知恵とはすごいものですね。シャッター通りを前にして考えても、「もう昔のようには戻らないだろう。お年寄りで車を持っていない人はどうなるのだろう?」と悲観的な事ばかりを考えてしまいますが、実にそれを覆すスーパーアイデアがあったのです。

実際に、コスモスベリーズに入っている個人の電器屋さんと話したり、私もエアコンを買ったりしてお世話になっているのですが、実にかゆいところに手が届くと言うか、量販店の店頭に行っても分からないところや、ましてスマホで注文するよりズッと良いものが買えるのです。

私は男性で物理が専門ですから電気のことは詳しいので、ある程度の商品を選ぶことができますが、ご年配で、お金もそれほど持っていない、余計なものは買いたくないという方にはとても良いそうです。何しろ近くの電気屋さんですから、「あそこはダメだ」という評判が立ったら終わりです。本当に親身になって相談に乗ってくれるようですし、ご年配の方が冷蔵庫などを買われるときには必ず「これが最後の冷蔵庫ね」と言われるそうです。そういうときに雑談をして励ましたり昔話を聞いたりするそうで、本当に立派です。

また、一口に家電製品といっても、昔の掃除機や扇風機、トースターなどとは進化してまったく違うものが売られています。でも、ご年配の方は昔あったものしか思い浮かばないのですが、そこを電器店の人が「最近はこんなものがありますよと説明するそうです。

それこそ「お客さんのためのご商売」という感じがします。

街の電器屋さんが復活して、ご年配の人だけが助かるかというと、そうでもありません。最近は、若い人でも電気や機械が分らなかったり女性で一人で住んでいる人が多く取り付けやちょっとした不具合でも困ります。そんな時、正式な修理を依頼するのもと思いますが、街の電器屋さんならちょっと帰りがけによって話をすれば、場合によっては自分で直せますし、すぐ来てもらうこともできます。

まだ、この画期的システムは電化製品やリフォームに限られていますが、そのうち洋服靴などからさらに生鮮食料品まで増えるでしょう。つまり量販店やモールなどが全盛の時代ですが、まもなくまた街の商店街に回帰する時代が来ると思います。

これまで日本の発展は歪んでいて、発展するほど不便になるという傾向がありましたが、これからは歪みがなくなって「発展して楽しい街に変わっていくでしょう。

 

 

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中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。 私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。

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