「居場所はネット空間」浮き彫りになった日本の若者が抱える問題点

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いじめをはじめ、子供たちが直面する様々な問題に真正面から取り組み、毎回その解決に向けた具体策を提示してくれる無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』。今回は、内閣府が発表した2017年版の「子供・若者白書」から読み取れる現代の若者を取り巻く状況を紹介するとともに、同ネットの皆さんが日々感じている、「保護者に改めて欲しい考え方」について記しています。

時代は変わっている

6月13日、内閣府が2017年版の「子供・若者白書」を発表いたしました。それによりますと、いじめの認知件数が増加を続けるだけでなく、ニートの数も4年ぶりに増加に転じるなど、若者を取り巻く状況がたいへん厳しいことがわかってきました。

まず、今回の白書では「若者にとっての人とのつながり」が特集されています。この調査は昨年12月、15~29歳の1万600人にネットで実施され、回答した6,636人から無作為抽出した6,000人分を分析したものです。そこでは、「自分の居場所が多い子は充実感がある」一方で自分の「居場所」と感じる割合は職場や地域よりも「インターネット空間」の方が高い、「就学・就業していない若者の7割超が学校での友人を相談相手と思わない」など、孤立してしまっている子供や若者に対する支援が必要であるという問題が浮き彫りになりました。

一方、いじめ問題や不登校についてですが、いじめの認知件数は2010年代に入ってから増加を続けており、2015年には約22万5,000件になりました。学年別では中学1年生が最も多くなっています。また、いじめの原因や動機として最も多いのは「力が弱い・無抵抗」で、「いい子ぶる・なまいき」、「態度動作が鈍い」がそれに続きました。

不登校についてですが、中学校では、2012年以降増加傾向にあり、2015年には2.83%、約10万人が不登校になっています。小学校での不登校は1992年以降、微増が続いており、2015年には0.42%で約3万人弱が小学校に行けないでいます。高校で不登校の生徒は減っており、1.49%約5万人。高校を中退する生徒も減少を続けています。

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