しかしオランダがまったく自由放任の国かというとそうではない。
国民は16歳になると課税管理番号制度下に置かれ、北欧顔負けの高税率の納税を義務付けられている。
徹底した社会保障とともに厳しい法規制によって管理が国中に行き届いているのだ。そしてそれを担っているのが汚職政治家不在の“清潔な政治”である。かつて日本は西洋の学術・文化を蘭学として学んだ。「博多どんたく(ゾンダーハ)」や「カッパライ(カーペライ)」「オテンバ(オンテンバール)」などすっかり日本語になってしまったオランダ語もある。今の日本がオランダから学ぶべきは、誰のための企業、国家、政治家なのかという民主主義の原点だろう。それに加えて、超高齢社会で安楽死をどう受け入れるかも重い課題だ。
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