現役警官が明かした、テキトーすぎる「違反キップ」処理の実態

 

吉田:ということは、交通違反で検挙された際の違反キップが担当した警察官が管理不行き届きで紛失ってことになると……そのままバックレてしまえば違反での反則金は支払わずチャラになるってことですよね?

Tさん:支払わずに大丈夫……ってことを私の口から積極的に言うわけにはいきませんが、担当者が交通違反を処理しないまま忘れてしまうこともたまにありますし、このような署内での嫌がらせで未処理のままになってしまうこともあります……。つまり、未処理であれば反則金を支払わずでも大丈夫なんですが……検挙された人には未処理になっているなんて分かりませんから完全に博打ですよ宝くじに当たるより確率的には低いんじゃないですか?(苦笑)。

吉田:言われてみれば確かにそうですね。検挙された側は未処理のままだなんて知り得るわけないですからね(笑)。で、ふと思ったんですが、未処理のままですと違反点数もそのままですよね。しかし、検挙された側が反則金を未処理状態になっているにも関わらず振り込んでしまうとそのお金っていうのは返ってこないわけですか?

Tさん:ええ。基本返ってきませんね。ましてや支払い済みの方からクレームもきません。

吉田:そりゃそうですよね。支払った側は、まさか未処理にされていたなんて気づくわけないですから、当然っていえば当然ですな。

Tさん:そういえば私と同期がいる所轄で、自転車が信号無視して横断歩道を渡ったので、パトカーで追いかけて行って違反キップを切ったそうなんです。あまりにも悪質で、走行中の多くのクルマが急ブレーキをかけるほどの無謀な信号無視だったことから「絶対捕まえる」って躍起になって検挙したそうなんですが、私と同期の彼は、ちょっとおっちょこちょいな性格でして、その自転車に対して反則金を支払わせるほどのペナルティーを与えたにも関わらず、自分の机の引き出しに書類を処理し忘れたまま半年以上放ったらかしにしていたんです。別の課に移ることになった際に未処理の交通違反に気づき、それがその自転車を含め3件もあったそうなんですが、さすがに検挙してから半年以上も経過していたので処理を受け付けてもらえずだったと。バイクの違反2件は処理してなかったんですが反則金は納付されてまして、自転車はというと、催促が来たら払おうとしている人も多いことから納付されてなかったそうです。

吉田:それってバイクの違反2件は反則金納付をしただけで、交通点数はそのまま減点されていないってことなんですか?

Tさん:はい、そうです

吉田:警察も結構いい加減ですねぇ。とりあえずはお金を納付してもらったからいいかっていう考えってことですよね。

Tさん:その辺はしっかりしている時としていない時がありますから微妙ですが、未処理にした警察官の個人的なミスってことになりますので。

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