パクチーで世界を変える。パクチーを愛しすぎた男の起業論

 

2005年夏に日本パクチー狂会をつくったとき、ウェブサイトのドメイン名を考えました。「phakchi.com」(タイ語のパクチーをアルファベット表記するとこれになります)が空いていて、もうワンクリックで取得するところまでいきました。しかし、スペルが難しすぎて普通の日本人には書けないだろう、分かりやすいスペルを考案しようということで、ドメイン名としてふさわしくないと考えて思いとどまりました。

それから約2週間、パクチーの新しいスペルについて検討しました。何十通りも紙に書き出して、なかなか納得がいかなかったのを覚えています。そんなとき、ふと見たのが「mixi」のサイトでした。僕は初期からのユーザーで、実名で良質なコミュニティを提供していた(過去形)このサービスの大ファンでした。だからサービスを利用するだけでなく、サイトの隅々まで読んでいました。そこに書かれていたのが

「mixi」は「i」(人)を「mix」する

というセンテンス。素晴らしいと思いました。そして、これをヒントに

「i」(旅人)が「pax」(平和)を創る

ということを思い付き、「paxi」のスペルが生まれました。とてもシンプルで、かつ、自分のテーマを埋め込むことができたので大変満足しました。パクチー狂会の活動を旅と結びつけたのは、僕の生き方にもありますがここでこうしたスペルを創ったことが大きいと思っています。

日本パクチー狂会の最初の大きな活動としてやったのが、パクチーの日の制定でした。それからちょうど10年です。その間、僕の頭の中にあった旅と平和を事業化しようと構想を始め(2006年晩夏)、半年考えた後にパクチーでそれを伝えることを思い付いた(2007年春)のでした。その後、パクチーの思わぬ発展もありつつ、パクチーを中心にさまざまなネットワークを築いてきました。

20歳のパクチーの日、30歳のパクチーの日(元年)、40歳のパクチーの日(今回)。僕は10年ごとに、節目を迎えるのかもしれません。40歳のパクチーの日であった今年の8月9日が、後から見るとどういう意味を持つのかは分かりません。でも、僕なりの転換期ではあるだろうと思っています。

今回初めての試みとして「PAX割」というものを設けました。割引としてこれを利用した人はわずかでしたが、その趣旨を読んで僕が紹介した平和イベントに行った人は、予想以上にたくさんいました。パクチーから(本来の)旅と平和へ。パクチー料理屋はたくさんできたので、僕は日本でできる旅の世界を展開し、他者への関心を喚起することに注力すべきタイミングにあるのだと思います。

パクチー関連だと伸びる「いいね!」の数も、僕が伝えたいと思った内容でブログを書くとほとんどつかないんですが、これからはそっちが伸びる10年だと思っています。旅と平和って言ってたらパクチー思いついたんですが、パクチーが伸びたから旅と平和もぐんと伸ばしたいと思います。

旅をしてうまい酒を飲みたいんです。そのために世界変えなくちゃ、楽しみは刹那的になりますよ。ちょっと変わった店に留まることなく、来た人の価値観を覆すような環境を築くことがこれからの10年の目標です。

image by: paxi house tokyo

 

佐谷恭の「パクチー起業論」~パクチー麺プレゼント付き~』より一部抜粋

著者/佐谷恭
「ありえない」と言われたパクチー料理専門店を繁盛店にし続けている秘訣を、日常の描写からお伝えします。メルマガを読むことで、メディアから注目を集めるコツや口コミが広がる仕掛けを、読者自らが発見し、実行できることを目指します。
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