金融庁も警鐘。高齢者をカモにする銀行の「アパート経営」悪徳商法

 

参考までに、関連する記事をいくつか紹介します。

The Page の「節税目的のアパート建設で地銀の貸出が急増、バブル崩壊の懸念も」という記事は、アパートローンの残高が22兆4000億円と膨れ上がっており、その背景には、2015年から相続税の非課税枠が引き下げられたことと、日銀の量的緩和策による金利の低下があると指摘します。その結果「確実に入居者が見込めないにもかかわらずアパートを建設する土地所有者が増えている」と指摘します。

特に地方では、人口が減少しているにも関わらず、貸し先に困った地銀や信用金庫がアパートローンに注力しているため、ニーズがないところに節税対策でアパートを建てるという異常なことが起こっており、近い将来に不良債権化することは明らかです。

J-CASTニュースの「地銀のアパートローン急減速 金融庁が締め付け強める裏事情」という記事には、膨らみ続けるアパートローンに危機感を抱いた金融庁が不良債権化を懸念して監視を強化したことが紹介されています。(住宅関係のシンクタンクの)LIFULL HOME’S総合研究所による「相続税対策と言いながら、そもそも収益性に問題のあるような地域で、アパート経営などしたこともない地主(多くは農家や個人商店など)に家賃保証してアパートを建てさせるビジネスが行き過ぎていると言えます」というコメントが現在の状況を良く表しています。

Nikkei Style の「相続税対策でアパート建築 3つのワナに注意」という記事には、「『30年間、業者が家賃保証をしてくれるから大丈夫』という話も聞かれますが、家賃保証は一般に2年ごとの更新となっており、さらに貸主と借り主(保証する側)が合意することが更新の条件となっていることが多いのです」と家賃保証の罠を紹介しています。

image by: shutterstock

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マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。IT業界から日本の原発問題まで、感情論を排した冷静な筆致で綴られるメルマガは必読。

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