【書評】日本の真実。現行憲法では災害から国民を守れない理由

 

よくある質問である。それに対して、うまいというか、正確というか、誠実というか、過不足ない回答がそれぞれ3~6ページある。こんなのもある。

Q32:現行憲法で、大震災が起きたときに国民を守れますか?
A:残念ながら十分ではないと思える部分があり、改正が望まれます。

……想定外のQ&Aだった。

憲法では個人の利益や権利を広く大きく認めている。一方で極端な個人主義に歯止めをかけられないという面がある。それが現実問題として起こり得るのが、大震災などの大規模災害時である。私立学校や私有施設などは、いくら緊急時だ、人命がかかっているといっても、持ち主から拒否されたら使用できない。

多くの被災者が存在しても私的権利を尊重するあまり国民を守れないのが現憲法である。道路上に放置された車を移動できるようになったのは、3.11以降に法整備が進んだからだ。憲法で「緊急事態条項」を規定しておかないと、思いがけぬところで行き詰まる。自然災害ばかりでなく、軍事的な攻撃を受けた場合など、多数の国民に被害が及ぶ緊急時の対処を定めておかねばならない。

現行憲法は国土防衛や大規模災害への対処について、憲法作成時のアメリカ側の思惑から、まったく備えを欠いている。緊急時の財政出動にも言及されていない。憲法改正の最重要項目のひとつだと筆者は考えている。なぜここに注力するのか。3.11の際、2か月にわたり現地を取材したときの思いからだろう。

6月7日初版で24日に6刷とはすごい。カバーは本人の上半身を斜めから、にこやかな笑顔、いまどき肖像写真をこんなに大きく出すなんて珍しい。いや、ほとんどないだろう、スターじゃないんだから。これは名刺代わりに配布する本かな。内容に文句はないが、売れてる理由はそれかも。驚いたのはAD奥村靫正さん、まだ現役だったのか。わたしより一歳上だけど。えらいな~。

編集長 柴田忠男

image by: ESB Professional / Shutterstock.com

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