ステマに手を染めてしまう背景
このようにステマは発覚すれば大問題になることもしばしばですが、現実的にはなくならないのが実状といえるでしょう。
それでは、なぜ悪いことと認識しながらステマに手を出してしまう人や企業が後を絶たないのでしょうか? それは、やはりステマの売り上げアップ効果でしょう。
最近では、ただ単に広告や宣伝を行っても顧客は見向きもしなくなってきました。広告が洪水のように巷に溢れる昨今、消費者は広告と分かっただけでその情報に対する興味の「シャッター」を閉じるようになってしまったのです。
一方、商品の売り上げに多大な影響を与えるようになったのが、FacebookやInstagram、Twitterといったソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)や著名人のブログ、そして利用者のレビューが掲載された口コミサイトなどです。
恐らく、みなさんもFacebookで知り合いが載せたレストランを訪れたり、また商品購入にあたってアマゾンのレビューを参考にしたり、価格.comような口コミサイトで利用者の情報を入手したりした経験があるはずです。
このように口コミは、商品を販売する企業ではなく、中立的な第三者の「生の意見」として商品選択に大きな影響を与えるようになったのです。
この販売に大きな影響を与える口コミを意図的に起こすことは非常に難しいですが、SNSや著名人のブログ、口コミサイト、テレビ番組など様々なメディアを駆使すれば、一気に商品情報が広まって爆発的な売り上げを上げることも決して不可能なことではありません。
そして、効果が高いうえにコスト面でも広告や宣伝に比べれば非常に少なくて済むというメリットがあるために、宣伝目的を意図的に隠してステマに手を染めてしまうことにつながるのです。