なぜ企業は「ステマ」に手を染めてしまうのか? MBAが理由を分析

 

なぜ、ステマは問題なのか?

効果の観点から、ステマの誘惑に駆られることは十分に理解できますが、なぜステマを実践してはならないのでしょうか?

ステマの問題点は、ステマを行う者が、自身は宣伝と知りながら、それを全く感じさせずに商品のプロモーションを行うところにあります。つまり、最初から人を欺こうという姿勢が大きな問題なのです。

情報化が発達した現代社会では、少しでも人を欺こうという素振りをみせれば、どこからか情報が洩れ、最終的に発覚してしまうものです。そして、自己都合で口コミを意図的に流していたことがばれたら、流した本人ばかりでなく、その商品を提供した企業や商品自体も一気に信頼を失うことにつながります。

ビジネスの成功において消費者の共感が重要な鍵を握る昨今、消費者を欺くことは最もやってはいけないことといえるでしょう。

顧客との関係は一時的なものではなく、できる限り長く取引を続けることが安定的なビジネスの条件といえます。

顧客を欺くことから始めるような企業の目的はただ一つ自社の利益のみであり、顧客を満足させるというビジネスの最も重要な目的の一つが置き去りにされている可能性が高いといってもあながち間違いではないでしょう。

そのように自社の利益を追求する姿勢では、一時的に繁盛するかもしれませんが、すぐに悪い口コミが広がって衰退していくのも時間の問題です。

マーケティングの目的は、顧客の創造、すなわち、新たな顧客を見つけ、関係を育んでいくところにあります。つまり、事業を長い間存続させたければ、ステマという顧客を欺いて売り上げを上げる手段を駆使するのではなく、顧客との良好な関係を築く正当なマーケティングが望まれるのです。

信用は築くのは難しいですが、崩れ去るのは一瞬です。

やはり、ステマという即効性のある手法で一時の利益の追求に走らず、ビジネスで最も重要な『信用』を第一に考え、誠実に顧客と向き合ってコツコツと信用を積み重ねていくことが、遠回りのようで実は結果として利益を最大化する最も確実な方法といえるのではないでしょうか。

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【著者】 安部徹也 【発行周期】 ほぼ 週刊

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