断言しよう。日本の財政再建は実質的に、すでに達成されているのである。
日本の政府は680兆円もの莫大な資産を持っているが、このことが国民に分かると、なぜ官僚は困るのか。特殊法人などの「政府関係機関」を民営化や売却で換金されてしまうと、自動的に官僚の天下り先が消滅してしまうからだ。
財務省が画策する消費税引き上げの目的は、国の財政を守るためでも、国民の資産を守るためのものでもなく、自分たちの天下り先を守るためである。
2014年の消費税増税を決めたのは民主党の野田首相だった。経済の仕組みを理解していないのを見透かされ、財務省のいいなりに政策を進めてきたからだ。
財務省が目指すのは「経済成長」ではなく財務省自体の権力保持のための「財政再建」であり、目的を果たすためには嘘の数字や理論まで持ち出してくる。財務省の嘘を信じて不合理な決定を下したのが安倍首相の失態である。GDP伸び悩みの要因は、2014年4月の消費税率を5%から8%に引き上げたことにある。
この本とは関係ないが、安倍首相が消費税を5%に戻す、という怪しげな説がある。官僚、野党、反安倍勢力のマスコミは大反対するだろうが、反対する国民は一人もおるまい。……何だか、ありそうな気がする。
編集長 柴田忠男
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