プーチン、北朝鮮問題を語る
プーチンは、経済フォーラムで、北朝鮮問題について語っています。ロイター9月7日付から。
プーチン大統領はウラジオストクでの経済フォーラムで「北朝鮮を怖がらせることは不可能だ」と指摘。北朝鮮は武器凍結の見返りとして制裁の終了をほのめかされているが、同国の立場から見れば、安全保障リスクの方が制裁終了によるメリットより重大だとした。
少しわかりにくいですが、要は、「核計画を凍結すれば、制裁を解除する」と「ほのめかされている」と。ほのめかしているのは、アメリカでしょう。しかし、プーチンは、
- 安全保障リスク >>> 制裁終了によるメリット
と主張しています。なぜ?
さらに大統領は「北朝鮮には、われわれは経済制裁は課さない、だから暮らし向きは良くなり、おいしい料理が食卓に並び、もっと良い服を着ることができるようになると話している。ただ北朝鮮は、次の段階(である、核計画の中止)は墓場への招待状と考えており、これに決して同意しないだろう」と述べた。
(同上)
これは、上の部分の解説ですね。制裁が解除されれば、景気が良くなり、うまいものを食べることができ、きれいな服も着られるようになる。しかし、制裁解除と引き換えに、核計画を中止すれば、それは「墓場への招待状」だと。なぜ、そういうロジックになるのでしょうか?
リビアの故カダフィさんは03年、核兵器開発をストップしました。それで、欧米との関係が一時良くなった。しかし、結局2011年、米英仏に攻撃された末、殺されています。こういう例があるので、金正恩は、「核計画は止めないだろう」というのです。
善悪論は抜きにして、プーチンが言っていることと、金正恩が考えていることは、同じでしょう。では、北朝鮮問題、プーチンは「どうすればいい」と考えているのでしょうか?
大統領は、北朝鮮問題は外交手段によって解決できるとの見解も示した。
(同上)
「外交手段によって解決できる」そうです。要は、「話し合いで解決できる」と。プーチンは、日米韓と北朝鮮の「落としどころ」をどう考えているのでしょうか? 現段階では、わかりません。
今回の話、プーチンの正直な言葉でしょう。そして、緩衝国家・北朝鮮が存続し続けることは「ロシアの国益」でもある。結果として、プーチンは、金正恩を守ることになります。
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