9月27日に行われた、小池都知事が代表を務める「希望の党」の設立会見。反自民票の受け皿として10月の総選挙での躍進を予想する声も多数ありますが、彼らの目指す先には何があるのでしょうか。無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者で国際関係研究者の北野幸伯さんが、党設立会見の小池氏の発言と綱領から、同党の「正体」を読み解きます。
希望の党、設立会見と綱領
10月22日の総選挙は、「自民党 対 希望の党」。もっといえば、「安倍総理 対 小池都知事」の戦いです。
安倍総理は、「小池新党は、まだ準備が整っていない。今のうちに解散総選挙にうってでよう!」と奇襲をかけた。小池さんサイドは、確かにドタバタしていますが、急いで陣容を整えつつあります。
小池さんは27日、希望の党の設立会見を行いました。何を話したのでしょうか?
皆さま、おはようございます。希望の党代表、小池百合子です。
しがらみのない政治、そして大胆な改革を築いていく新しい政治、まさに日本をリセットするために希望の党を立ち上げる。
リセットするからこそしがらみがない、いえしがらみがないからリセットができる。
ここで、小池さん、「結党の目的」が明らかにします。目的は、
- しがらみのない政治
- 大胆な改革をする新しい政治
- 日本をリセットする
「しがらみがないからリセットができる」。リセットできるかどうかはともかく、「しがらみがない」のはその通りですね。自民党に逆らって都知事選に出るとか、なかなかできません。そして、勝ってしまうのは、さらに難しい。
日本にはありとあらゆるものがある。ものがあふれている。でも今、希望が足りない、私はそう思っている。
みんなが不安を抱くからこそ、これからの日本どうなるんだ、老後はどうなるんだ、この子はどうなるんだ―。
そんな不安の中で私たちは希望の党を作り、しがらみのない政治を作り上げることによって、国民の皆さんに希望を届けていきたい、そういう思いでいっぱいだ。
今の日本には、「希望が足りない」そうです。
そうでしょうね~。時々日本に行くと、そう思います。なんというか、「少子化で人口減少は避けられない。人口は減り、高齢化が進み、経済は縮小し、財政はひっ迫し、年金は破綻し…。暗黒時代が到来するのが不可避であることを前提で生きよう」。そんなムードが満ちています。
しかし、「人口減少」は全然「不可避」ではありません。人口は、増やすことができます。ここでは詳述しませんが、興味のある方は、こちらをご一読ください。
● 日本以上に深刻な少子化問題を解決した、ロシアの大胆な「奇策」
小池さんには、日本に「希望」が戻るよう、がんばってほしいです。