休日の目的が家族バラバラ…簡単にまとまる「家族会議術」とは

 

不要な部分を削ぎ落とす

「希望すること」に含まれている要素のうち、「実はあってもなくてもどちらでもよい」ものを見極めて整理します。

怪しい要素(例えば、前述の例で言えば「カニを」「裏山で」「シートを広げて」あたりを疑うとします)について、それを除いたプランを示して、賛同するかどうか尋ねます。どこが怪しいかわからなければ、ひとまず全部チェックするのでもOKです。

「海に行って、カニじゃなくて、ヤドカリとか貝とか捕るのは楽しそう?」
→これでOKなら、「カニを」の部分が「何かの生き物を」に広がります。

「シートは持たずに、公園のベンチに座ってサンドイッチを食べるのでもいい?」
→『「シートを広げて」の指定がなくなり、単に「サンドイッチを食べる」という希望に広がります。

「裏山じゃなくて、池のある公園に行ってママとピクニックするのは賛成?」
→場所の指定がなくなり、単に「ピクニック」という希望に広がります。

なぜ?

1つ1つの「希望すること」について、「なぜ、それがいいの?」を尋ねる方法です。

「海に行きたい」に対して「なぜ、それがいいの?」を尋ねることで、例えば「だって、泳ぐのが楽しいから」が返ってくるなら、プールなどの選択肢が広がりますし、例えば「生き物を見たい・捕りたい」ならば、川でザリガニ釣りなどの広がりが見えてきます。

どの部分が大事?

ただ、相手が子どもの場合(子どもに限らないかもしれませんが)、単に「なぜ?」と尋ねるだけでは的確な返事ができないことも多いでしょう。

その時は、本人の「希望すること」に含まれる要素をバラして、1つずつの重要度を尋ねます。

つまり、「ママと裏山にピクニックに行きたい」に対して、

ママとお出かけするのが大事? 裏山に行くのが大事? それとも、ピクニックするのが大事? リエにとっていちばん大事なのはどれ?」と尋ねるのです。

これで明快な答えが返ってくればしめたもの。「本当に重要なこと」がどんどん明確になります。

ですが、子どもは往々にして「えー、ぜんぶ大事。」と答えることが多いのが、残念ながら実態でしょう。こんな時、本当に両方とも優先度が高い場合もありますが、単に優先順位付けができていないだけのことがほとんどです。

そんな時は、質問をちょっと変形して、優先順位を見つけさせてあげましょう。

「じゃあね、『ピクニックに行って、おにぎりを食べる』のと、『お家で、サンドイッチを食べる』のだと、どっちの方がリエはうれしいかな?(ピクニックとサンドイッチの比較)」

「『裏山に行って遊んで、家に帰ってからご飯にする』のと、『砂浜に行って、シートを広げて、お弁当を食べる』のだと、どっちの方がリエはうれしいかな?(裏山とピクニックの比較)」

ここまで切り分けて質問すれば、さすがに子どもでも返事ができますよ。

こうしてそれぞれの希望することがより純化され、不要な指定がなくなれば、「全部の希望を満たすプランを考える」ことがだいぶやりやすくなります。

仮にすべての希望が叶えられなかったとしても、お互いに充分にコミュニケーションをとって決めた案は、一方的に決められた場合よりもはるかに納得度が高いはず。

叶わなかった希望項目は、「じゃあ次の旅行の時は、これを優先して決めようね」としてあげても良いでしょう。

この家族会議術の根底にあるのは、「みんな等しく大事」「みんなで全員のハッピーを願う」気持ちです。

「誰かの希望を叶えるために、他の誰かの希望を切り捨てる
「いつも自分ばかり我慢させられる
「自分の希望を叶えるために、何とかして他の人の希望をあきらめさせなきゃ

なんて気持ちで生きるのは、残念すぎる。そう思うので、根底の気持ちの部分も子どもたちに伝わったらいいなぁと思いながら、私はこの家族会議術を実践し続けています。

皆さんの家庭の家族会議でも、この方法を取り入れてみていただければ嬉しいです。

image by: Shutterstock

 

子どもが育つ「父親術」
子供がグングン伸びて、親のストレスも激減~そんな状態を実現するために、毎日使える具体的なノウハウを提供する無料メルマガです。読者からも「駄々コネが減った」「言わなくても自分の準備をするようになった」などの成果が出ています。
<<登録はこちら>>

print
いま読まれてます

  • 休日の目的が家族バラバラ…簡単にまとまる「家族会議術」とは
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け