現役医師が警告。米国で深刻化する「医療用麻薬」乱用の深い闇

 

アメリカ議会からの手紙

2017年5月、アメリカ議会の議員が世界保健機構の事務局長宛に異例の手紙を書きました。国際的に拡大する薬物依存症を食い止めるべきだとする内容でした。

その原因として名指しされているのが、アメリカのコネチカット州に本社を置くパーデューファーマ社と、その世界戦略としての共同会社であるムンディファーマインターナショナル社です。ハイドロコドンの長時間作用薬は、商品名オキシコンチンと呼ばれ、これはパーデューファーマ社とムンディファーマ社によって製造されています。

これらのオピオイド製造会社は高額の資金でロビー活動を展開しました。医学会にも資金を投入してガイドラインの中にオピオイドの使用を促すことに成功しました。慢性疼痛に関連する患者団体にも資金を投入し、疼痛コントロールを最大限に行わせるように患者団体から担当医に要求するように促すことにも成功しました。

2007年には、オキシコンチンの有用性を過大に広告し、一方でオキシコンチンの依存症のリスクを過少に広告したということで、パーデューファーマ社は連邦裁判所で有罪判決を受けています。アメリカではオピオイド製造会社のダークサイドが明らかになってきたのです。

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