多くの人が、いろんな人のために企画書をつくります。だから、「あれも入れなきゃ、これも入れなきゃ」と自然と分厚くなっていきます。
そして多くの人が、
◎企画の面白さ(と思ってること)
◎自分の熱意
にばかりフォーカスします。
だから、企画書は自然と、装飾にあふれていきます。
僕は、これら2つについて、むしろ要らないんじゃないかとすら思ってます。
みなさん、自分が役者とかスタッフに誘われるのを想像してみてください。目の前に企画書が差し出された状況を考えてみてください。
そして、その企画に乗るかどうか、自分がどこで判断するのかをじっくり考えてみてください。
それらの判断基準が満たされていることがわかれば、すぐにOKじゃあありませんか?
それらの判断基準っておそらく、作品の面白さの割合は意外と低く、メリット部分を考えるのではないでしょうか。
「手伝えば、自分の作品も手伝ってもらえるかも」
「自分の人脈が増えるかも」
「役者さん紹介してもらえるかも」
「この作品に関わった、と自慢できるかも」
「facebookに載せるいい写真が撮れそう」などなど。
それに、デメリットも判断するでしょう。
「信用できる人かな?」
「この人と一緒にやってメリットあるかな?」
「この人から学べるものあるかな?」
「途中で逃げ出したりしないかな?」
「もめないかな?」
「口説かれたりしないかな?」
みたいなことを瞬間的に考えるのではないでしょうか。
相手の気持ちをしっかり考えると、それが企画書になり、言動になります。
例えば僕は、若い女優さんを口説くときは、妻と子供の話をさりげなく入れます(笑)。
これらの言動が正しいかどうかは置いといて、企画書というのは、相手が欲しい情報を入れ、気になる部分を払拭できれば、なんでもいい、ということになります。
それらがシンプルであればあるほどいい、とも思います。
僕の企画書は、フォーマットがありません。そして、口説く相手によって作り分けます。
何種類も作るのが面倒、と思われるかもしれませんが、一つ一つはものすごくシンプルです。
役者さんには、応募する予定の映画祭リストと作品のイメージイラスト一つだけ。
※出演後、見てもらえる範囲を示します
タレント事務所には、過去の作品リストと上映実績と今回の作品の香盤表と絵コンテ。
※ひたすら信頼感を示す
カメラマンほかスタッフには、撮影にかかわるワクワクを想像させる内容だけ。
作品のテーマが云々、というのは、場合によっては、さらっと流します。
「相手のことを考える」これが、遠回りに見えて結局は一番確実な企画書の作り方なんです。
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