パートと正社員が同じ待遇に?来年4月1日から大きく変わること

 

ただ、この「無期労働契約への転換」が行われても、正社員と同じ待遇にする必要はありません。今まで3ヶ月とか半年ごとに契約更新していたものを、その更新のない、期間の定めのない働き方に変更するというもの。それ以外の部分の契約内容を変える必要はありません。

ただし、就業規則については、どの部分が「無期労働契約への転換」後の労働者にも適用され、どの部分が適用されないのかハッキリさせておく必要があります。ここをハッキリさせておかないと、後々、面倒なことになる場合があります。

ただ、経営者の気持ちの上では、クビ切り雇い止めしにくくなるなぁという思いがあると思います。期間満了での雇い止めができなくなる訳ですから…。

※ 実際は、期間の定めのある労働契約者であっても、期間満了で簡単にクビ切り(雇い止め)できる訳ではありません。お互いの「無知」のために、今まで、それがまかり通っていただけです。

もちろん、正当な理由による解雇はできますし、業績不振によるリストラの際には、正社員に先立って彼らを解雇することが許されます

何とか、「無期労働契約への転換」とならない様、色々と脱法的な方法を考えている会社もあるようですが、法令や通達により、なかなか難しいと思います。そんなことより、今の労働市場の状況を考えると、たとえパートでも、優秀な人材は確保するという事に頭を使ったほうが良いと思います。

以上を踏まえて、あらためてお聞きします。

「御社の就業規則には、無期転換の定めがありますか?」

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【著者】 飯田 弘和 【発行周期】 週刊

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