台湾の「民泊」が中国人を相手に大失敗、高まる日本人への期待

 

さらに、AsiaYoの利用者は台湾および香港が多く中国は少ないというのも人気の秘訣です。やはり扱っているものが宿なだけに、道徳心とマナーは重要です。そうして高い品質を維持しているAsiaYoは、2013年6月にスタートした後、2014年2月から2016年3月までの過去25か月間で毎月25%の成長を遂げています。

楽天との提携が実現したことで、今後、日本人向けのサービスも拡大していくと思われます。実際、日本語の対応も進みはじめています。日本から台湾への旅行者、台湾から日本への旅行者の双方を取り込もうというわけです。

また、AsiaYoの特徴として、利用者向けの手厚いサポートも挙げられます。他の民泊サイトでは利用者への対応の大半はホストが担うことが多い一方で、AsiaYoは何か困ったことがあった際は、Lineや電話などでサポートを受けることができるとのこと。この点が、アメリカ発世界最大の民泊サイトAirbnb(エアービーアンドビー)との違いでしょう。

AsiaYoの日本側の責任者である内海玄氏のインタビュー記事があるのでそちらを少し引用しましょう。

民泊はもちろんビジネスの側面もありますが、それ以上に宿泊業だと考えておりますので、ゲストをおもてなす宿泊業としてしっかりとやっていくという方をとても応援したいと思っております。本当にいい形でインバウンドのビジネスや民泊が広がっていけばと思います。

 

【バケーションレンタルEXPO 2017】AsiaYo・内海玄氏インタビュー

この発言こそがAsiaYoの人気の秘訣です。何かと問題の多い民泊ですが、宿泊業のグレーゾーンの闇を深くしないためにも、こうした心意気こそが業界をよりクリーンにし、盛り上げていきます。

中国にも民泊サイトはいろいろとあります。楽天はそのうちのひとつである中国最大手と言われる「途家とも提携しています。

報道によれば、

主に訪日客の4分の1を占める中国人客を対象にし、楽天がもつ宿泊物件を途家を通じて中国の訪日客が利用できるようにする見込みだ。途家は中国に約50万件の物件を持つが、日本では約5,000件にとどまる。一方、エアビーは日本で約5万件をもつ。途家は2年後に日本の物件数を2万件以上にする方針で、楽天と組むことで規模を一気に拡大する。

とのことです。

楽天、中国民泊最大手との途家と提携 エアビー対抗へ運営も支援

日本語の「途家」サイトはこちらです)

このように一気に需要とニーズが高まっている民泊ですが、日本においては、民泊をめぐる諸問題はまだまだ山積しています。ゴミ問題、騒音問題、衛生問題、テロ対策問題などのほか、以前、テレビで民泊のホストとなった法人が、毎回シーツに血がついていて困っていると発言している番組も見たことがあります。

日本では、まだまだ法的環境的な整備が整わないまま急発進しているイメージは拭えません。しかし、日本政府は民泊を急激に増やしていきたいと思っています。なぜなら、オリンピックを目指して宿泊施設を確保したいとの政府の思惑があるからです。

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