韓国政府がトランプ氏にも「告げ口外交」、日本がとるべき態度は?

 

日本では、国民が先の衆院選挙で安倍政権を大勝させた以上、安倍政権の進める日米同盟の深化に反対する動きはほとんど出ませんが、韓国では従北派の文在寅が大統領のうえ、10月時点でも支持率は60%後半と高い水準を保っています。

さらに、THAAD配備で中国にさまざまな嫌がらせを受け、観光をはじめとする産業・経済に大きな打撃を受けているため、アメリカを逆恨みするの意識も大きいのでしょう。

さすがに文在寅政権もまずいと思ったのか、韓国大統領府は5日、韓国国民に対して「トランプ大統領を歓迎しよう」と呼びかけました。このような呼びかけをしなくてはならないほど、韓国では反トランプ反米意識が高まっているわけです。

「トランプ氏歓迎を」 韓国大統領府が国民に呼びかけ

そして実際、ソウルでは抗議団が「帰れ」コールを行い、トランプ大統領一行の車が通る予定の道に物を投げる者までいました。そのため、トランプ一行はルートを変更せざるをえなくなりました

トランプ米大統領一行、ルート変更=抗議団体が物投げる―韓国報道

朝鮮日報は先の社説で、「米国なしに朝鮮人民軍の動向さえ把握できず、また長射程砲による攻撃もまともに防げない国で、これほど見境のない動きが国民の間から出てきているのだ。これはこの国の国民が勇敢だからなのか、あるいは愚かなだけなのか、もはや分からなくなってしまった」とまで嘆いています。

文在寅大統領にしても、「三不」政策が示すように、極力アメリカと距離を置いて中国のご機嫌を取りたいというのが本音でしょう。北朝鮮の核開発やミサイル発射にも、実のところは賛意を示したいと思っているのではないでしょうか。

もともと文在寅大統領は盧武鉉政権時代の秘書室長として、2007年11月、国連の対北朝鮮人権決議案に対して、韓国としての対応を北朝鮮側にお伺いを立て、その結果、棄権にいたったという疑惑がある人物です。

文在寅大統領が夕食会に慰安婦を招き、「独島エビ」を振る舞ったというのも、国内の親北・反米グループや、北朝鮮、中国へのアピールの意味もあるのでしょう。すなわち、「トランプ大統領とは慰安婦問題や竹島問題も共有した。韓国側は対日問題も主張したのであり、北朝鮮問題だけではない」と、反日によって北朝鮮問題を矮小化しようという一種のまやかしでしょう。

今回の夕食会では、トランプ大統領も外交儀礼上、元慰安婦と握手していましたが、聯合ニュースは「慰安婦被害者と抱擁」などと報じていました。しかしそのときの動画を見ればわかりますが、元慰安婦が両手を広げて抱擁を求めたので、トランプ大統領は形式的に少し応じただけでした。いかにもトランプ大統領が「元慰安婦に理解を示した」かのような報じ方がされたのも、北朝鮮問題よりもこちらをクローズアップさせたい政権側の意図に叶うものでしょう。

訪韓のトランプ氏 夕食会で慰安婦被害者と抱擁

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