フランスで過労自殺が急増。G8で自殺率世界3位の仏が抱える闇

 

そして、3つ目が「過労自殺」です。週35時間労働の導入当初から、この点は懸念されていました。

管理職層でサービス残業が増えているのに加え、グローバル化による競争の激化で業務目標が高く設定され生産性の向上を強いられスピードを重視される。

世界といつでも繋がるので、24時間休まるヒマがないーー。

いくつものストレス要因が管理職を追いつめ、過労自殺する人が上昇。週35時間労働、夏休みひと月という国でありながら、人口10万人に占める自殺者の割合は、G8(主要8カ国)の中ではロシア、日本に次ぐ3位となっているのです。

過労死が「長時間労働による肉体の悲鳴」から起こる突然死であるのに対し、過労自殺は「長時間労働と、上司部下関係、仕事のプレッシャー、裁量権のなさ」などの組み合わせから“もうこれ以上はムリ…”と、生きる力が失せた結果です。

日本では残業上限100時間、週労働時間にすると「週65時間労働」に国がお墨付きを与え、過労自殺と過労死を一緒くたにしています。

おい、日本よ、これでいいのか? EUのこと心配するのもいいけど、フランスの「週35時間労働」から学ぶことあるでしょ?  と思うわけです。

まだまだ書きたいことはあるのですが、これくらいしておきます。

image by: Shutterstock.com

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