元ANA国際線CAが警鐘。日本人がちっとも理解しようとせぬ大問題

 

もちろんどれもこれも議論すること自体は、多いに結構だし、意義あることかもしれません。

しかしながら、平均寿命を縮めるってどうしろというのか?

かつて100歳双子の「金さん、銀さん」がどれだけ日本を明るくしたか、勇気をもたらしたか?
高齢者がニコニコしている“景色”がどれだけ安心感をもたらすのか?
そういったことを考えたことがあるのでしょうか?

そもそも平均寿命の長さに関係なく健康寿命(自立して生活できる年齢)との間には10年前後の差が出るというメカニズムを人間はもっていることが世界各地の調査からわかっている。
つまり、平均寿命を短くしたところで、「他者の力を借りて生きる時間」が減るわけではないのです。

また、尊厳死を認めている国を調査すると、老いていない状態でははっきりと「延命治療は辛いし、家族にも経済的負担が大きいから要らない。尊厳死をさせてほしい」と言っていた人が、実際に老いが進んでいくと「どういう形でもいいから生きていたい」と考え方を変えるようになるといった「高齢者特有の現象」が何件も確認されています。

つまり、どうやたって人は老いるし、どんな鉄人であれ死ぬ間際は人の手をかりるのが人間なのです。

だというのにリアリティを持てない人たちは、「自分だけは老いない」「自分だけはひとりで最後まで生きていける」と妄信するのです。

本当に悲しい。“共感”とか“寄り添う”という感情を持つ人がどんどんと減っているような気がするのは私だけでしょうか?

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