そこで大手各社はサイドメニューに力を入れるようになりました。うどんやラーメン、カレーといったサイドメニューを続々と投入していったのです。ただ、最初の頃は物珍しさで話題になったものの、やがてどこも同じようなものを扱うようになったため、サイドメニューの品ぞろえは今ではどこも大きな違いはない状況となっています。差別化にはなりづらくなっているのです。
やはり、餅は餅屋です。サイドメニュー競争が一服したいま、本業のすしで改めて勝負する必要があるとスシローは考えたのでしょう。そこで羽田市場と組んで旬の国産天然ものを提供することで、競合との差別化を図ろうとしていると考えられます。高付加価値のすしで客を呼び戻したいところです。
スシローを運営するあきんどスシローとコメ卸最大手の神明傘下の元気寿司の経営統合の行方も、スシローの客足の回復に大きく関わりそうです。現在、両社のそれぞれの親会社が経営統合に向けて話を進めています。
「元気寿司」や「魚べい」を展開する元気寿司の業績は好調です。17年4~9月期の連結決算は、売上高が前年同期比20.4%増の202億円、営業利益は89.7%増の9億円となりました。同期の元気寿司と魚べいの既存店客数は0.8%減となりましたが、客単価が4.2%増加したので、売上高は3.0%の増加です。17年3月期でいえば、客数は1.6%の増加です。スシローを尻目に、既存店も好調です。
元気寿司と魚べいは「回転しないすし」が強さの秘密です。回転レーンをなくし、タッチパネルと高速レーンを組み合わせてすしを届ける仕組みで、国内店舗の6割以上で導入しています。
スシローは元気寿司と経営統合することで規模の経済を発揮し、コスト低減などを実現したい考えです。天然ものプロジェクトなど高付加価値商品はコストの増加が懸念されるので、少しでもコストを抑制したいところです。
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