「プーチンを裏切れ!」米国に脅迫された、ロシアの新興財閥軍団

 

ロシア、新興財閥の系譜

少し復習しておきましょう。1991年12月、ソ連が崩壊した。そして90年代、新興財閥が生まれてきました。90年代の後半、ロシアでは、「7人の新興財閥が、この国の富の半分を支配している」といわれたものです。彼らは、エリツィン大統領(当時)を操り、「新興財閥の許可なしで、首相を選ぶことはできない」といわれていました。プーチンも新興財閥に選ばれて大統領になったのです。

ところがプーチン、2000年に大統領になると、アッサリ彼らを裏切ります。というか、最初から「大統領になったら裏切る」という計画だったのでしょう。2000~03年にかけて、彼は、最強新興財閥3人を征伐しました。

一人目は、「クレムリンのゴットファーザー」と呼ばれたベレゾフスキー。彼は、国営テレビ局ORT(現1カナル)を支配し、好き勝手なプロパガンダをしていました。しかしプーチンに敗れ、ロンドンに逃げ、2013年に亡くなっています。「自殺した」といわれていますが、「暗殺説」も根強い。

二人目は、グシンスキー。ロシアの民放最大手NTVの創業者。「ロシアのメディア王」と呼ばれていました。この方は、「世界ユダヤ人会議の副議長も務めた超大物です。ところが、やはりプーチンとの戦いに敗れ、イスラエルに逃げました。

三人目は、ホドルコフスキー。彼は、当時ロシアの石油最大手だったユコスの社長。この方は、ユコスをエクソンモービル、シェブロンテキサコに売却する交渉をしていた。そして、欧米の支援を得て、プーチン政権を打倒しようとしたのです。しかし、逆に脱税容疑などで捕まり、シベリア送りにされた。2013年に釈放され、ロンドンに逃げました。今は、「オープンロシア財団」を率い、活発に「反プーチン活動」をしています。

ちなみに、ベレゾフスキー、グシンスキー、ホドルコフスキー、3人ともユダヤ系です。「陰謀論」ではありません。興味のある方は、調べてみてください。

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