筆者は、そのときのライブ放送を直接見ていた。いくら検事とはいえ、女性だ。始終涙声で話していた。身も心もぼろぼろといった感じを受けた。検察官の中でも何度も賞をもらうほど辣腕の検事のようだ。検察官の制服を脱ぐことも決意してのライブ登場だった。
検事なら、ばしっと手をひっぱたいて、「何するのよ。すけべ野郎!」ぐらい言えないのかとも考えるが、男社会に蔓延するそうした闇の部分があまりにも強いのであろう。検事でさえ、ばしっ! とはできないのだ。普通の女の子だったら、もっと難しいだろうことは容易に想像できる。
これを書いている筆者も男なのだが、女性らの性的迫害のダメージをあまりにも簡単に考えてしまう傾向があるのではないだろうか。酒の場で、腰をなでるぐらいどうってことないんじゃないの、という思い。でも、これは女性にしてみれば、命を左右するくらい深刻な出来事なのである。病気になってしまうくらい許せない行為なのである。ここの部分を男(社会)ははっきりと実感するところから始まるんだろうな、って思う。
ソ・ジヒョン検事のライブインタビューが流れて3日目。SNSなどを通してソ・ジヒョン検事を応援するコメントが数万に達しているであろう。検察庁長官も再捜査するといっている。また男社会の隠蔽体質にかき消されることのないことを願う。
お天道様のもとに安某を引っ張り出し、本当にすみませんでしたと涙の謝罪をさせる絵がテレビに出るだろうか。かすかな期待を込めながら本稿を終えたい。
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