いくつかの省ではパラサイト禁止法(老年保護法)なるものの整備が進んでいる。老親が子供のすね囓りを拒否する権利の法的根拠となるって、笑えない話だ。一族・血族の強いしがらみのなかで迎えた少子高齢化問題って相当に残酷だ。一方、日本は家族意識が淡白化しているが、そう悪いことではないんだな。
一人っ子政策の結果、中国の少子高齢化の歪を急速に拡大した。60歳以上の高齢者人口はすでに2.2億人を超え、人口の16.1%を占める。その高齢者のうち要介護者は既に4,000万人超である。農村に取り残された老人に記憶障害や認知症が増えているのは、事実上の息子、娘たちの「遺棄」による孤独が原因だろう。
国連推計では2050年には中国で60歳以上が人口の3割を超える。中国の高齢化問題はまだまだ始まったばかり、『孝』を至上とした儒教発祥の地で、老人がこんなに虐げられる残酷な社会が待ち受けているとは、誰が想像しただろう。
一人っ子政策という世界史上稀に見る大愚策のツケがジワジワと。
編集長 柴田忠男
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