【英語の格言を読み解く】ミスを恐れる日本人と失敗を踏み台に未来に向う米国人

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海外のメディアで報じられたニュースを中心に解説する、無料メルマガ『山久瀬洋二 えいごism』の著者である山久瀬さんはメルマガの中では、偉人たちの名言を引き合いに、日本人と米国人とのビジネスマインドの違いについて比較しています。

 

名言格言に見る英語圏のビジネス文化とは?

今週のテーマは、「名言格言に見る英語圏のビジネス文化とは」です。

【海外ニュース】
Fight fair, but avoid fair fights.
訳:フェアに戦え、でも相手と互角には戦うな

 

【ニュース解説】
アメリカ人のビジネスマインドを知る上で、あるビジネススクールの教授が言ったこの一言は参考になります。Fairであること。それは法律を守り、相手を騙したり、陥れたりする策謀を弄せず、正々堂々であれということを意味します。

しかし、avoid fair fights つまりフェアな戦いを避けろという言葉が後半に書かれていることが気になります。

前半の文章と後半とが矛盾しているように見えるだけでなく、後半ではフェアであることを否定しているように思えるからです。

アメリカ人には、握手をするときしっかりと相手の目をみて、握力をもって相手の手をグリップする人が多くいます。手の中に武器を隠していないという証明でもある握手。それをちゃんと握力をもって行うことが、相手とフェアに仕事をすることを暗黙に伝えるメッセージになっているわけです。

しかし、握手をした相手とビジネスをすること、それはボクシングでいえばリングの上での戦いに臨むことを意味します。リング上での戦いでは、正々堂々と戦うことと、うまく戦うこととを両立させなければなりません。反則をせず、ドーピングをしたり相手の体への不正なアタックをしたりすることはフェアではありません。

しかし、同時にリングの上ではしたたかに闘わなければならないというわけです。この文章の後半で語っているのは、そのことなのです。

対戦相手をうまく心理的に追い込んだり、威圧をしたり、またあえて激しく打ち返さず、相手が疲れるのを待って執拗に攻撃したりといった戦略は、リングの上ではなんら問題はないわけです。このメンタリティが、ビジネスをする上でも応用されるというのが、この格言の意味するところなのです。

法的にも、財務的にも、戦略的にもしっかりとアドバンテッジをとるようにしながらビジネスを進めることは、別に悪いことではないというわけです。この対応を日本人は「したたか」と思い、時には嫌悪します。

ビジネス文化の違いによるこうした対応を受けると、日本人は相手に対して警戒心をいだいてしまうのです。一歩日本を離れると、我々は様々な異なったビジネス文化に接します。例えば、日本人はミスを嫌います。しっかりと準備して練習を重ねた上で、ビジネスというリングにあがろうとします。

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