ではこうして購入したい通貨が決まり、先述の取引所で購入する事が出来たら次に行うのは何か。それは「ウォレットへの保管」です。暗号通貨は取引所で購入後、ウォレットと呼ばれるアプリやハードウェアに移動して保管する必要が有ります。ここが銀行預金や株と異なりつい怠りがちになる点です。
暗号通貨の場合、取引所で購入した通貨は放っておけば取引所が管理してくれます。しかし「取引所」というのは銀行とは違い、厳重なセキュリティや法律で守られていません。その上富が集まる場所ですからハッカーから狙われやすく、現時点ではまだ完全に信頼はできないんですね。
銀行も一昔前は銀行強盗に狙われましたが、今はあまり聞かなくなりました。それはセキュリティが整って、強盗しても取れる確率が極端に減ったからです。しかし現在の取引所はまだそうしたレベルに達していません。独自のセキュリティや管理体制で頑張っていますが、マウントゴックスやコインチェックが資金流出を起こしたように、流出しても「自己責任で」と言われてしまう世界です。
取引所は便利なのですが、こうしたリスクがありますからウォレットによる自己管理が必要です。購入した通貨はすぐに取引所から引き出して手元で管理しましょう。
で、このウォレットを使うと安全な理由とは何か? それはまず暗号通貨を管理する秘密鍵(暗証番号)を自己管理出来る事です。取引所に預けて置く事は、この鍵も一緒に預けて置くようなものです。そしてもう一つがネット環境から切り離された場所に確実に格納しておけるからです。その為ウォレットにはいくつかの種類が有りますが、大体以下3つを抑えておけば良いでしょう。
- オンラインウォレット
- ローカルウォレット
- ハードウェアウォレット
オンラインウォレットとは各取引所などが提供しているものです。取引所に口座開設して通貨を購入すると、このオンラインウォレットの中で通貨を管理してくれます。簡単で便利ですが上述したようにとても狙われやすく、また直接あなたの通貨が流出しなくても、取引所が閉鎖してしまえばお金は引き出せなくなります。よってローカルウォレットやハードウェアウォレットを準備し、そこへ通貨を移動させて管理しておく事が望ましいんですね。
ローカルウォレットは各通貨ごとに開発されている専用のウォレットソフトをパソコンやスマホにダウンロードして使います。ウォレット事にアドレスが設定されるので、取引所からそのアドレス宛に通貨を送ればいいわけです。
また更にセキュリティを上げるにはハードウェアウォレットと呼ばれるUSBタイプのウォレットが有効です。ハードウォレットは初期投資や管理工数がかかりますが、高額を扱っている場合など、セキュリティ重視の場合には必ず必要になるでしょう。有名なものでは「TREZOR(トレザー) 」などがあります。
さて、今回のシリーズはこれで終わりですが、暗号通貨は現段階では投機、もしくは投機以上にハイリスクなギャンブル(ゼロサムゲーム)です。よってここまでお伝えしてきた内容を元に、根拠を持って「投機」する事。あくまでローリスクで少額投資を行い、ハイリターンを狙うというスタンスを崩さなければ暗号通貨を楽しめると思います。
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