軽い気持ちで「仮想通貨」投機を始めようとしている人への忠告

 

さて、ここまで暗号通貨の種類と購入方法までレクチャーしましたが、私の解説はあくまで初歩の初歩。よりディープな情報が知りたい方は色々ネットで情報を漁って見て下さい。

それと暗号通貨で爆益を上げる人が億り人と呼ばれて喜んでいるように見えますが、実際は「全然素直に喜べない」事です。何故なら暗号通貨で得た利益は雑所得」であり、そこには大きな税金がかかるから。

例えば最大で4,000万円以上の利益を上げた場合、所得税が45%、住民税が10%の合計55%の税金が発生します。つまり「4,000万儲かった!」と喜んではいけないんです。本当の利益は1,800万円であり、2,200万円は税金用として確保しておかなければならないんですね。

これは1年間の総利益に課せられます。ですから今年のトータル利益にかかる税金は来年3月の確定申告で発生します。ですから私はこの通貨の売り買いを頻繁に行っている人を見ると「この人確定申告の計算大変そうだな」と思いますし、この先暗号通貨の利益から一般人の脱税がニュースになるのでは? と思ってしまいます。

何らかの利益を上げるからには売買履歴をきちんとメモして把握しておく事。一つの事業として帳簿を付ける意識が必要ですね。

では、いくら「投機」だとしても暗号通貨に自分の大切なお金を出資するにはそれなりの根拠が必要という事で、何を根拠に暗号通貨を選べば良いのかお伝えしておきましょう。ここまでわかるとあなたは既に暗号通貨の初心者レベルから抜け出す事が出来ます。

投資先を選ぶにはいくつかのゴールデンルールが存在し、それは株であれ暗号通貨であれ変わりません。そしてそれらのルールを一番わかりやすく提唱しているのが「ウォーレン・バフェット氏」です。

例えばこんな言葉。

その企業について論文を一本書けなければ買ってはいけない

暗号通貨に投資するからにはその通貨の生立ちや存在意義をきちんと理解しなければなりません。「あ、これ有名だから買っておこう」的な雰囲気で買ってはいけないんですね。

とは言っても星の数ほどある暗号通貨です。最初の段階ではどう絞り込めば良いのか。そこは例えば「時価総額」で上位に来ている通貨は何らかの根拠があって市場に根付いていますから明確ですね。とりあえずビットコインを含め、イーサリアムやリップルなどの時価総額上位銘柄に目を付けるのは始めの一歩としては堅実です。が、実際に買う前にそれらの通貨の時価総額が何故高いのか根拠は掴んでおきたい所です。

ではその根拠を掴む為に何を参考にすれば良いかというと、これは暗号通貨が発行している「ホワイトペーパー」という報告書を見ればざっくり掴む事が出来ます。それはオフィシャルサイトに置いてありますので、ネット検索すればすぐに見つかります。ほとんど英語版ですが、読めなければグーグル翻訳で。たまに日本語版が存在する場合もあります。難しくて理解不能ならまとめサイトなどを使ってお勉強しましょう。この一手間は絶対省いてはいけません。

ホワイトペーパーには暗号通貨の理念や存在目的が書いてあります。たまに技術用語が多過ぎてさっぱり意味不明な物もありますが、上場後の大よその価値はこの報告書で決まります。その後実際にロードマップに沿って開発が進んでいたり、他の通貨との相対価値によって値段が変動します。暗号通貨は総発行枚数が決まっていますから、株と同じように人気投票で欲しがる人が多ければ価格は上昇して行くんですね。

現在はまだ確立期に至る前でありパイ全体の時価総額も小さい為(総発行通貨の1%程)、株式市場と違って投機資金が少し入って来るだけで数十パーセントの価格変動が起き易いのが特徴です。だから「ビットコインがバブルだ」と言われても、少し詳しい人ならまだ生まれたての泡が少し弾けた程度にしか思っていないものです。そしてそれが弾けたとしても、各通貨のホワイトペーパー内容を理解していれば、それを根拠に冷静にいられるでしょう。

先程の「ウォーレンバフェット氏」の言葉には他にもこんなものがあります。

株券ではなく事業を買う

暗号通貨を買う時もこれと全く同じ考え方で良いんですね。通貨の値段だけを見ていたら良い投資は出来ません。というか、現時点では暗号通貨の価格は根拠が手薄な投機的価値です。それよりその通貨の存在目的や技術価値を理解しておけば、上手に投資判断が出来ると思います。当然大きな金額は掛けていけない事もわかって来ます。自分の中にそうした根拠が生まれたら少ない資金で投資を始めれば良いし、何も掴めなかったら買わなければ良いだけですね。

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