「ない」に賭けると危険率は50%である。「ある」に賭ければ危険率は0%である。リスクは全くない。それをなぜ好んで危険率50%の丁半博打をやろうというのか。信じるか信じないかは、最終的にはそこに賭けるか賭けないかということである。なんと分かりやすい話だ。「ある」派のわたしはスッキリした。
「魂の存在を信じ、霊魂は不滅だと考えれば考えるほど、また死後の世界もちゃんと存在すると信じれば信じる程、自分の生きている日々に安心感が湧いてきます」と書いた渡部先生は、思ったとおりの死後の世界で満足していると思う。シニア世代は、この賭けについて、お気楽に、しかし本気で考えるべきだ。
「無に帰して風にさまようくらいなら、一歩踏み出すくらい何でもないはずです。なにせ、負けることのない、必ず勝つ賭けなのですから」と先生は結んでいる。パスカル、カント、デカルト、ウォレス、カレル、若い頃のわたしはこの人たちのことを学ばなかった。本当に漫画漬けの馬鹿者だった。もう取り返しがつかないが、いまは「ある」方に賭けているから平穏である。
編集長 柴田忠男
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