官僚組織の最高機関とも称され、エリート中のエリートが集う財務省。そんな省庁が握っている日本のあらゆる機密情報が、外資企業へと流れる構造が存在することをご存知でしょうか。今回のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』では元国税調査官で作家の大村大次郎さんが、財務省トップの外資系コンサル企業への天下りという事例を取り上げ、その問題点を具体的に解説。さらに「スパイ防止法」をめぐる議論の限界と、日本の情報管理体制の根本的な欠陥を指摘しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:財務省トップが外資系情報企業に天下りという暴挙
機密情報がダダ漏れ。財務省トップが外資系コンサル企業に天下りという暴挙
国家機密を握る財務省とスパイ防止法が無意味な理由
このメルマガでは、財務省キャリア官僚がいかに巨大な国家権力握っているか、ということをご説明してきました。
財務省は予算策定権を持っているだけではなく、税の徴収権も握っており、金融機関の監督権も持っています。それに加えて、財務省キャリア官僚たちは「出向」という形で各省庁の重要ポストに送りこまれます。日本の主な国家権力はすべて財務省に握られているのです。しかも、彼らは日本の省庁だけではなく、IMFやOECDの最高幹部のポストも握っています。
事実上、日本の政治経済の実権を握っている彼らのところには、日本のあらゆる情報が入ってきます。内閣総理大臣よりもはるかに膨大で詳細な国家の機密情報を彼らは保有しているのです。
そんな財務省のトップが、「外国の情報企業」に天下りしたらどうなるでしょうか?
国民の多くはそんなアホな小説のようなことはあり得ないと思うでしょう。しかし、実際にそういうことが行なわれているのです。しかも、筆者が特別に仕入れた極秘情報などではありません。普通に公表されていることなのです。
日本はスパイ天国などと言われることがあります。日本には、スパイを防止するために厳しい法律などはありません。また日本にはスパイの情報を収集するための専門の機関もないのです。一応、公安警察や外務省の一部がそれを担っていますが、アメリカのCIAやイギリスのMI6のような諜報機関とは比べようもありません。
現在、日本の政党の中には、国家反逆罪に類する刑罰の制定を検討しているものもあります。いわゆるスパイ防止法案です。このスパイ防止法案は、自民党の総裁が高市氏になったとき、野党との連携協議でも重要な項目の一つとなっていました。スパイ防止法を必要と思う国会議員も多いのです。
このスパイ防止法の起源は1985年6月に、自由民主党の国会議員が衆議院に議員立法として提出した「国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案」にあります。この法案は外交・防衛上の国家機密における公務員の守秘義務を定め、これを第三者に漏洩する行為の防止を図るというものです。最高刑は死刑または無期懲役という、非常に重い刑罰となっていました。が、1985年当時は野党や国民の強い反対を受けたため廃案となりました。
現在でもスパイ防止法は、国会内外で議論されており、自民党の一部や国民民主党は、このスパイ防止法の必要性を主張しており、それに同調する政治家もかなりいます。が、筆者に言わせれば、スパイ防止法などを制定しても意味はないのです。
なぜならば、冒頭で述べたように、今の日本は財務省の最高幹部が外資系企業に堂々と天下りするような国になっているからです。
スパイ防止法というのは、たとえば断片的な機密事項を握っている自衛隊員などが、諸外国の諜報部員などと秘密裏に接触し、情報を漏らすようなことを想定している法律です。しかし官僚の最高幹部が、外国の情報企業に天下りするならば、国全体の機密事項が白昼堂々を外国の手に渡るのです。
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