なぜ生まれ育った国で「宗教」が決まるか。武田教授の「先入観」論

 

東京なら巨人。大阪なら阪神。根拠のない偶然で決まる身近なもの

このようなことはもっと軽いものでも多く見られる。

一つはプロ野球のファンだ。この頃は野球もずいぶん人気がなくなってきたが、かつては「東京なら巨人」「大阪生まれ大阪育ちならほぼ熱烈な阪神ファン」、そして最近では「広島に行くと広島カープを応援しないとにらまれる」という感じだ。

でも、野球というのはスポーツだから、どの球団のファンになるかは自分が住んでいるところとは関係なく、好きな選手がいるとか、戦い方が潔いとか、そういう理由がいるはずだが、現実は「どこに住んでいるかでほとんど決まってしまう。もっと極端には、かつてテレビ放送では巨人戦しかやらなかったので、日本全体で巨人ファンが特別に多かったという現象まであった。

結論を急いで、まず整理をしてみると、

1)人には自分の好き嫌い、意見などがある。

2)でも現実には宗教のようにその人の考えを尊重しなければならないものも、根拠のない偶然で決ま っているように見える。

ということになる。宗教戦争や国同士の争いで死をかけて戦うことすらあるのにその根拠が行き当たりばったりに見えるのはどういうわけだろうか?このような傾向は人間だけで動物はまた別なのだろうか?自分が正しいと思ったり、好きだと感情が動いたりするのはなぜだろうか?(つづく)

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中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。 私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。

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