なぜ生まれ育った国で「宗教」が決まるか。武田教授の「先入観」論

 

そんなことでEUの中でもギクシャクしていたのに、中東の危機が訪れて大量の難民がヨーロッパに流れてきた。大陸の国はドイツに代表されるように移民歓迎の政策をとるところがあり、その国を経由してEU内を自由に移動する。だから、どんどん他国民が増えてくる。

移民の多い環境では、「国をよくすると移民が増えて自分たちの生活はよくならない」ということが起こり、それだけでも不満がたまる。まして、カソリックとプロテスタントでも問題があるのに、イスラム教徒となると相当違う。

それは日常生活で大きなストレスとなっていた。

時事問題としてイギリスのEU離脱をみると、このように見えるが、「人間の考え」として整理すると、

1)イギリス人の多くが、どういうわけか「イギリス国教会」の信徒

2)ポーランド人の多くが、どういうわけか「カソリック」の信徒

3)シリアから来た人のほとんどが、どういうわけか「イスラム教」の信徒

なのである。ここで「どういうわけか」としたのは、イギリス人、ポーランド人、そしてシリア人が強い信仰心を持っているとしても、それは「どの国に生まれて育ったか」に関係していて、決して自分で聖典を読み、お説教を聞いて、慎重に選んだという結果ではないのだ。

なにしろ「信教の自由」というと絶対に守らなければならない、他人の宗教の悪口などいうのはもってのほかと強く信じられているが、よくよく事実を見てみると「自分が強い信念を持つほどの理由はない」と言ってもよい。なにしろ、偶然にどこで生まれるかによって信じる宗教が違っているのは間違いない。

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