私は交渉術についてお話しする時「交渉は勝ち負けで考えるな」ということを強調しています。交渉としては「負け」だと思えるものであったとしても、長期的にメリットが得られそうだと思ったら、個々の交渉の結果に固執すべきでないことがあります。
ビジネス交渉であれば、早期の妥結が将来的に利益になるか否かは、他に事業を行うライバルの状況、自社のほかの事業との兼ね合い、業界での立ち位置等々、考えなくてはならない要素が複雑に絡み合っています。
交渉のテクニック、技術論を学ぶことはもちろん大切なのですが、結果としてそれが良い交渉であったか否かは、一つの交渉だけで語れるものではありません。諸条件を分析できる広い視野、複眼的な視点を忘れてはならないと思います。
今回は、ここまでです。
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