米国が画策する「北朝鮮の非核化」は、カダフィー大佐とそっくり

 

リビア方式とは????

こちらをごらんください。

北朝鮮の非核化へ「リビア方式」検討、専門家は危険を指摘

CNN.co.jp 5/1(火)11:16配信

ボルトン米大統領補佐官は北朝鮮の非核化に向けて「リビア」方式を検討していることを明らかにした

 

(CNN)米政府は北朝鮮の非核化に向けた交渉について、「リビア方式」で対応に当たることを検討している。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が4月29日に明らかにした。

記事はこの後「リビア方式とは?」の解説がつづきます。

リビアのカダフィ大佐は2000年代初め、制裁解除と引き換えに核開発計画を放棄することに合意した。
(同上)

もう少し詳しく。

03年は、イラク戦争がはじまった年として知られています。この年の12月、リビアのカダフィ大佐は、「核兵器を開発していた」事実を認め、「無条件の破棄」を宣言しました。結果、欧米諸国との関係が、大いに改善された。06年には、「テロ支援国家指定が解除されました。

「お~、『リビア方式』というのは、要するに金正恩に核兵器を廃棄させ、制裁を解除し、体制を保証する。なんともWIN-WINなやり方なのですね????」

いえいえ。この話には、つづきがあるのです。CNNの記事を読んでみましょう。

それから数年のうちに、カダフィ政権は崩壊し、米政府が支援する反体制派によってカダフィ大佐は殺害された。
(同上)

これは、なんでしょうか? 2010年から中東、北アフリカで「アラブの春」と呼ばれる「民主化運動」が流行しました。リビアでも民主化運動が起こり、内戦に発展していった。この時、カダフィと和解したアメリカは、どうしたのでしょうか? なんと、「反カダフィ派を支援したのです!

2011年3月、NATO軍がカダフィ陣営を攻撃。同年10月、カダフィは欧米が支援する反カダフィ派につかまり殺されました。その時、血まみれのカダフィの映像が全世界に流された。衝撃を受けた人も多かったことでしょう。

「リビア方式」。アメリカからすると大勝利ですね。交渉で核開発を放棄させた。しばらく仲よくしていたが、8年後に殺した。アメリからすると大勝利ですが、金正恩からすると、カダフィは、「反面教師」です。金から見ると、カダフィは、「狡猾なアメリカを信じたナイーブなバカ!」ということでしょう。

北朝鮮情勢に詳しい研究者によると、北朝鮮はカダフィ大佐の事例を引き合いに、金正恩(キムジョンウン)体制を存続させるためには、核兵器のみが米国に対する長期的な抑止力になると主張してきたという。
(同上)

北朝鮮側から見ると、当然です。もしカダフィに核兵器があれば、「わが国を攻撃すれば、イスラエルや欧州に核ミサイルを撃ち込むぞ!」と脅すことができたはず。アメリカも、リビアを攻撃できず、カダフィは生き残っていたでしょう

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