米国が画策する「北朝鮮の非核化」は、カダフィー大佐とそっくり

 

リビア方式、日本にとっては?

リビア方式、日本にとってはどうなのでしょうか?

日本が恐れているのは、アメリカが過去の失敗を繰り返すことです。「過去の失敗」とは、

  • 日米韓は、北朝鮮を経済援助している
  • その一方で、北は核開発をつづけている

状態になること。実際、南北会談の結果、人的、経済的交流を活性化することが宣言された。このままでは、韓国から北に金が流れはじめ、経済制裁が無力化します。韓国にアメリカがつづけば、北朝鮮は、

  • 制裁を解除され
  • 経済支援を受け
  • 核兵器については、長~~~い交渉中(こっそり開発をつづける)

という過去の繰り返しになってしまうでしょう。しかし、アメリカが「リビア方式」に言及しているということは、「過去の過ちは繰り返さないということなのでしょう。日本は、「アメリカはだまされるのではないか?」と心配している。現状、「大丈夫そうだ」といえます。

しかしそうなると、「交渉決裂」→「戦争という流れになる可能性も出てきます。思いだしてみましょう。金は1月、「アメリカ本土を攻撃できる核ICMBが完成した!」と宣言しました。しかし、アメリカ国防総省は、「まだ完成していないが、年内には完成する可能性が高い」としている。つまり、「戦争するならアメリカ本土を攻撃できない今しかない」となります。これに関連して、沖縄の読者Tさんから興味深いメールをいただきました。

北野幸伯様

 

RPEジャーナル毎回楽しく拝読しております。沖縄の事をいつも気遣ってくださりありがとうございます。最近の朝鮮半島の急激な情勢変化について個人的に感じている事をお伝えしたくてメール致しました。

 

経済制裁が効いてて北朝鮮が態度を変えてきた等と言われていますが、それも一理あるかもしれませんけれども、北朝鮮の態度の変化は、ICBMと核兵器の完成宣言によって、アメリカが北朝鮮に対する攻撃を本気で考えており、北朝鮮も含め東アジア諸国が慌てて戦争を回避するために状況が変化しているのではと私は感じてなりません。

 

なぜかと言いますと、私は沖縄本島在住ですが、私の自宅周辺は米軍航空機の騒音被害がほとんどない地域でしたけれども、今年に入ってから戦闘機の騒音がひどくなってきているからです。早朝から戦闘機の爆音が鳴り響いていますし、深夜までオスプレイの騒音が聞こえています。そのことから、米軍は戦争に備えて訓練を増やしているのではないかと思えてなりません。戦争は反対ですけれども、北朝鮮やアメリカの態度の変化と米軍の活発な活動をどうしても結びついてしまいます。

 

沖縄の米軍の状況が大きく変わってきているので思い切ってメール致しました。拙い文章ですが、読んでくだされば幸いです。

どうなのでしょうか?私としては、金が「リビア方式」を受け入れることを願います。しかし、彼が「カダフィのようにならない保証」も必要でしょう。そのためには、金体制存続を願う中国ロシアそして国連などの関与が不可欠になってきます。

 

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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