【書評】「ピタゴラスイッチ」の人が行動経済学を漫画にしたら?

 

医師に告げられた「死亡率20%の手術成功率80%と言い換えることで、ネガティブ情報をポジティブに父親に伝えられた、という話。今から30年前、ホームベーカリーが発売され、マーケティングは好調だったが全然売れない。パンを自宅で作るという全く新しいカテゴリーに、市民権がなかったからだ。

そこで、自分で競争相手を作った。上位機種を発売し、一種類だった商品を群にすることで、人々に「世の中で一定の評価を得ているカテゴリーである」と思わせることができた。「買うか買わないかから、「どちらを買おうか」へ変化したためみごと大ヒット。これが「おとり効果」だ。それでも当時、相当に高価だったけど。

ついつい真ん中を選んでしまう「極端回避性」、顕著な特徴だけで物事を見極める「ハロー効果」、目先の損を嫌う心理「損失回避の法則」、「タダ」が判断を狂わせる「選好の逆転」など、ワカルワカルのお話が次々に。確かにそうだな、面白いなと思わせるが、だからどうした? という気がしないでもない。

簡単なクイズが出題されている。

(問)ある教授のお父さんのひとり息子が、その教授の息子のお父さんと話をしていますが、その教授はこの会話には加わっていません。そんなことは可能でしょうか。

答えは、この文末に(すぐに見ないで考えましょう)。この内容で、この漫画で(そこそこ面白かったけど)わざわざハードカバーで、1,620円とは高過ぎる。この値付けを「行動経済学」的に何とする?

クイズの答え:可能。教授は女性だった。わたしは煩悶、妻は即答…。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

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