この事例は、色々と考えさせられ、気づきを与えてくれる内容だと思います。営業担当者であるAさんとBさんの違いは、どこにあるのでしょうか。「現地の人たちが靴を履いてない」という事実は、Aさんも、Bさんも同じですね。2人の違いは、「その事実を、どのように捉えて、考えたか」ということになるのではないでしょうか。
ここで、AさんとBさんの思考プロセスを考えていきます。Aさんの思考プロセスを簡単にたどってみましょう。
「靴を履いていない」
→「靴自体は知っている」
→「靴は履かない」
→「靴は売れない」
→「帰ろう」
というようなプロセスをたどったことが考えられます。一方、Bさんは、
「靴を履いていない」
→「靴を知らないかも」
→「知れば、靴を履く可能性がある」
→「提案したら、靴は売れる」
→「靴を営業・販売してみよう」
という思考プロセスをたどったのではないかと考えました。靴を履いていない現地の人たちの姿を見たという事実が同じでも、その事実をどのように捉え、考えたかという営業担当者2人の思考プロセスの違いが、結果や成果を左右することになったと言えます。Bさんの考え方、思考プロセスは、新たな価値を生み出し、未開拓の地を切り拓いてしていくためには、必要なものだといえるのでしょうね。
同じ事実があっても、同じ知識や技術を持っていても、その人自身が持っているモノの見方や考え方、心構えが違っていれば、AさんとBさんのように結果や成果は違ってきます。Bさんのような考え方、思考プロセスは、ビジネスパーソンのみならず、子どもたちにとっても、これからは要になってくるのではないでしょうか。
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