同じ知識や技術を持っていても、モノの見方や考え方が違えば、結果や成果も違ってくる…。そんな、ビジネスの現場のみならず、あらゆるシーンで重要な「真実」を記しているのは、長く人材育成に携わってきた石丸智信さん。石丸さんは自身の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを!』で今回、ある有名なエピソードを取り上げつつ「未開の地を切り拓く考え方、思考プロセス」を紹介しています。
未開の地を切り拓く考え方、思考プロセス
以前聴講した営業担当者を対象とした研修の中で、ある2人の営業担当者の事例が紹介されました。この事例を聴いて、この考え方は、営業担当者だけに限定した内容ではなく、これから未知の道を切り拓いていく上で必要な内容だと感じました。本号では、この事例を踏まえて、未開の地を拓いていくための考え方などについて考察していきたいと思います。
まず、研修の中で聴いた営業担当者の事例から始めていきます。
靴を販売している営業担当者が2人いました。その二人の営業担当者は、上司からある指示を受けました。その指示とは、ある地域に行って、「自社が取り扱っている靴を営業し、販売してくるように」というものでした。その指示を受けて、2人の営業担当者は、さっそくその地域へと向かいました。
そこで、2人が目にしたのは、現地に住んでいる人たちが、1人も靴を履いていない光景でした。実は、その地域では、靴を履くという習慣がなかったのです。
もし貴方が、営業担当者として、このような光景を見たとしたら、どのように思うでしょうか。
営業担当者の1人であるAさんは、現地の人が全く靴を履いていない光景を見て愕然としました。そして、このように考えました。
「1人も靴を履いていないではないか」
「こんなんじゃ、靴なんて売れないじゃないか」
「ウチの上司は何を考えているんだ」
「こんな所で靴を売れだなんて」
と不満いっぱいで、営業することなく、すぐに帰ってしまいました。
その一方で、もう1人の営業担当者であるBさんは違いました。靴を履いていない現地の人たちを見て、ワクワクして、このように考えました。
「現地の人は、1人も靴を履いていない」
「ということは、靴が売れる可能性がいっぱいあるじゃないか」
「なんて素晴らしい所なんだ」
と喜びました。さっそく、Bさんは、現地の人たちの話を聴き、靴を営業して回り、売ることに成功しました。
この事例は、極端なお話しで、フィクションと言えるでしょうが、実際の営業、販売の場面でも、ここまで極端でなくても、こういった状況、光景はあるかもしれません。