会談前の根回しで、トランプは何を金正恩にオファーしているのか

 

トランプ大統領により一度は「中止」するとされた米朝首脳会談ですが、北朝鮮の高官が訪米するなどその実現に向け急ピッチで準備が進んでいると見られています。これまでたびたび北朝鮮問題を取り上げてきたロシア在住の国際関係ジャーナリスト・北野幸伯さんは自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、北朝鮮がもっとも気にかけている「体制保証」をどうすべきかについて考察しています。

米朝会談、トランプは金に何をオファーしている??

また、北朝鮮問題について。今までRPEでは、北朝鮮の意図について、こう解説してきました。

  • 非核化の意思を示す
  • 交渉によって、制裁を解除させ、経済支援も得る
  • しかし、ちゃっかり核兵器は保有しつづける

実際、北朝鮮は、1994年に核開発停止宣言を、05年に核兵器放棄宣言をした。ところが、金の父・金正日は、受け取るものだけ受け取って、核開発をつづけてきた。その「ウソ」の結果が、今の状況にあるわけです。

金正恩は、「偉大なお父さんを見習って、僕も上手にアメリカをだまそう!」と決意し、同じパターンで動いてきた。ところがトランプさんは、北の本性を知っている安倍総理やボルトンさんから、「大統領! だまされてはダメです。過去の大統領同様、世界の笑いものになりますぞ!」とアドバイスされている。それで、妥協しない

そんなアメリカサイドは、これまで「リビア方式」に言及してきました。つまり、「核を放棄し、その後制裁解除、経済支援」。しかし、リビアのカダフィ大佐は、03年核開発をやめ、11年にアメリカから支援を受ける反体制派に捕まり殺されています。だから、金は金で、アメリカを信じることができない。

そしてRPEは、「こんな解決策がいい」と書いてきました。

核兵器放棄体制保証、その後制裁解除

これこそ、全世界に恩恵をもたらすWIN-WINの解決策。なぜ? まず、日本、アメリカ、韓国は、「北から核攻撃される」という恐怖から解放されて幸せ。金は、核を手放した後も、北朝鮮を統治しつづけることができて幸せ。中国、ロシアは、「緩衝国家」北朝鮮が存続して幸せ。

そして、どうやらトランプは、RPE同様の解決策で行こうとしているようです。

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