ポンぺオ、「体制保証」の方策に言及
HuffPost Korea5月29日付に、ポンぺオ国務長官の考えがはっきりわかる部分がありました一部引用します。24日、上院外交委員会に出席した際の発言。
ポンペオ長官:彼(金正恩)と私は、このことについて会話を交わした。彼と私は、我々が彼にどのような体制保障を提供すべきなのかについて言葉を交わした。これは、我々が(北朝鮮に)要求している永久的で不可逆的かつ検証可能な非核化と同じ方式の保障にならなければならない。我々の方でも同様に、交渉が終わった後も続くような体制保障を提供しなければならない。したがって、私たちは(金正恩と)正確にこの問題に対する協議を行った。合意後もそれ(体制保障)が続くだろうとの約束を、私たちがしなければならない問題だ。
アメリカは、北に「CVID」と呼ばれる「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を求めている。そのかわり、アメリカは北に対し、「完全かつ検証可能で不可逆的な体制保証」をしなければならないと。どうすれば、金正恩が納得する形で「体制保証」ができるのでしょうか?
「覆せないように」
それならば、カギは北朝鮮が安心できる“永久的”体制保障を、アメリカがどうやってしてあげられるかという問題に移る。ポンペオ長官にはアイデアがある。彼は、北朝鮮と交渉が妥結されれば、これを条約の形にして議会の同意を受けるという意志を明かした。政権が変わっても勝手に覆さないようにするという話だ。これはトランプ大統領が脱退を宣言したイラン核合意とは違う。
(同上)
アメリカと北は体制保証に関する「条約」を締結する。これは、最近トランプさんが脱退を表明した「イラン核合意」とは違う。どう違うのでしょうか?
オバマ政府の時に妥結されたイラン核合意は、行政府レベルの協定だった。外交的国際合意ではあるが、アメリカ政府が後に立場を変えて破棄しても、これを制御できる法律的な装置がなかった。イラン核合意を議論した当時、上院での多数派だった共和党内では、合意そのものに反対する議員が多かった。このため、当時のオバマ政権は議会批准を推進しなかった。オバマ前大統領の気候変化政策の大半が、いつでも覆すことができる脆弱な行政命令に頼ったこととも似たような理由だ。
(同上)
「イラン核合意」も「パリ協定」も、「議会の承認を得ない、行政レベルの協定」だったので、トランプが勝手に覆すことができた。
したがって、ポンペオ長官が北朝鮮との非核化合意結果を、条約の形で完成するという目標を明らかにしたのは、かなり意味あることだ。合意の履行の持続可能性を担保するというアメリカの約束であるわけだからだ。
(同上)
条約の形にすれば、次の大統領も勝手に変えることはできない。だから、金正恩も、アメリカの意志を信じるだろうと。これ、どうでしょうか?
既述のように、「WIN-WIN」な正しい道です。
私は、金が納得するためには、中国、ロシア、そして国連をまきこんで体制保証した方がいいと考えていました。しかし、ポンぺオ方式で金が納得するなら、それはそれでよいことでしょう。日本としては、北が核兵器を放棄し、拉致被害者を返してくれるという結果が一番大事です。